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甲子園の勝利数番付、センバツ編。
愛知と四国が春にやたらと強い理由。 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byKo Hiroo

posted2018/03/22 16:30

甲子園の勝利数番付、センバツ編。愛知と四国が春にやたらと強い理由。<Number Web> photograph by Ko Hiroo

夏は潰し合いになってしまう同県の強豪が揃って出られるのもセンバツの特徴。それを反映した数字になっている。

夏は大阪が圧倒的なのに春はなぜ?

 春は自他ともに認める「野球王国」大阪府を差し置いて、僅差とはいえ愛知県が1位、続いて高知県、3位タイに徳島県が入っている。

 大阪府が.656と圧倒的な勝率を残す夏の大会とは様相が違うのだ。

 愛知県では、春の甲子園で50勝を挙げた高校が2つもある。

 中京大中京は、夏も55勝、通算でも133勝で歴代最多勝だ。それに対し東邦は、春と夏では成績が大きく異なる。

春 51勝24敗 勝率.680 優勝4回 準優勝2回(勝利数2位)
夏 19勝17敗 勝率.528 優勝0回 準優勝1回(勝利数38位タイ)

 夏も強豪校の一角ではあるが、大きくランクを落としている。

 なぜ東邦は春に強いのか?いろいろな要因があるだろうが、春の甲子園の選考方法も一因だ。

愛知の強豪2校の同時出場は9回。

 最多勝の中京大中京(以前は中京)も、東邦(以前は東邦商)も、同じ1923年に愛知県に創立した私学だ。以来、県内屈指の強豪校として切磋琢磨していた。ライバル2校が競い合ったことで、愛知県の高校野球はレベルアップしたと言える。

 しかし夏の甲子園はどんなに実力が拮抗していても、愛知からは1校しか出場できない。夏は実力でわずかに上回ることが多かった中京大中京の前に、東邦はたびたび涙を呑んできた。

 しかし春の甲子園は、前年の秋季大会などの成績で選考されるが、強ければ1県で2校が選出されることもある。

 調べてみると、中京大中京と東邦は、1934年を皮切りに9回も揃って春の甲子園に進出している。そういうシステムの違いもあって、東邦は春の方が勝ち星を残しているのだろう。

 この番付では、中京大中京とともに東邦も「横綱」とした。50勝を挙げている実績を考えれば、同じ方屋に2横綱が並ぶのも許されるのではないか。

 東邦はこの春も選抜されている。初戦は大谷翔平の母校花巻東と当たるが、5連勝して優勝すれば1位の中京大中京を上回り、東の筆頭横綱になる。これも注目だ。

【次ページ】 勝率7割以上のPL学園は、引退扱いに。

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