ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
ゴルフ世界ランクで日本男子が減。
インド、中国の有望株に押され気味?
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byYoichi Katsuragawa
posted2018/03/14 07:30
10代前半の頃から注目されていたマレーシア出身のガビン・グリーン。アジアンツアーで賞金王となった実力の持ち主だ。
習近平は共産党幹部にゴルフ禁止しているが。
アジア諸国でゴルフの発展が目覚ましいという。
特に中国では、1990年代初頭に10ほどしかなかったゴルフコースは現在500以上。あるレポートでは2010年以降、ゴルフ人口は毎年8%前後で増え続けており、'14年頃までにすでに100万人を突破した。
もちろん国内にコースが2000以上あり、ゴルフ人口は減少傾向でも約550万人という日本とは、依然として差はある。「ゴルフは国家公務員の汚職につながる」という習近平国家主席により、中国共産党幹部がプレーを禁止されるなどして、ゴルフ場開発が停滞しているともいうが、潜在的なマーケットはもちろん大きい。
タイ、マレーシア、シンガポールなど東南アジア諸国には米国風のダイナミックなコースが多くあり、日本人旅行者にも人気が高い。
ただし、それらはいずれも「プレーするゴルフ」から見た発展だが「観るゴルフ」、つまりツアープロたちの活躍ぶりはどうか。女子では韓国勢の活躍が際立つが、男子ではどういった傾向があるだろうか。
上位200人のランキングを見てみると。
世界ランキングを最新版(2018年3月11日付)から5年前(2013年末)、10年前(2008年末)、15年前(2003年末)のものを比較した。
2003年末の上位200人のうち、日本を含めたアジア勢は27人。'08年は31人、'13年は30人、そして最新版は33人。'15年で増えたのは6人だった。
もっと増えている印象があったけれど……。一瞬そう思ったが、精査すると現状が見えてきた。
それぞれの項目で日本人選手の数に限定すると、'03年に上位200人のうち20人いたのが、'08年は17人、'13年には13人、最新版では10人と年々減少している。
つまり“日本を除くアジア”からは世界ランク上位者が確実に増加傾向にある。欧米人からすれば、“アジア人”の台頭は目を見張るものではないかもしれない。ただ相対的に数が少なくなった日本側から見ると、インパクトは十分に大きい。