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本田、岡崎、香川とハリル戦術。
それぞれの相性を今一度検証する。

posted2017/11/22 17:00

 
本田、岡崎、香川とハリル戦術。それぞれの相性を今一度検証する。<Number Web> photograph by Getty Images

2010年代の日本代表は本田、香川、岡崎のトライアングルでゴールを脅かし続けてきた。その前線に歴史的転換点が訪れつつある。

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西川結城

西川結城Yuki Nishikawa

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 ベルギー・ブルージュのナイトゲーム。試合後、スタジアム脇に設けられた取材ゾーンはテントが張られた簡易的な作りだった。日本とベルギーの選手と両国の記者が入り交じる空間。取材に躍起となっていた最中、あるベルギー人記者から素朴な疑問を投げかけられた。

「そもそも、なんで今回の代表には、ホンダやカガワ、オカザキはいないのか?」

 先月末に行われたこの遠征に向けたメンバー発表で、日本国内でも彼らの選外は大きな話題に上った。ただ、実際に遠征が始まり取材していくうちに、目の前のチームや選手の動静を伝えることに集中していく。記者の中にもいつしか彼らの不在による違和感は消えていた。

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 このベルギー人記者に問いかけられ、あらためて考えた。

 本田圭佑とハリルスタイル、岡崎慎司と堅守速攻、そして香川真司とフィジカルサッカー。もう一度、その相性や可能性を探っていくと、それぞれの今後が見えてきた。

 テント小屋に現れた日本の選手が口々に言っていたのは、守備での手応えだった。4日前のブラジル戦の連続失点を教訓に、この日はベルギーの強力攻撃陣に対して怯むことなく積極的な守備を敢行した。最後はシャドリの個人技からルカクの一発にやられてしまったが、多くの時間で日本は守りの耐久性と選手の献身性を披露した。

現状の日本の攻撃は、個人能力に頼っている。

 問題は攻撃だった。

 守りがハマったとはいうものの、高い位置でボールを奪ってショートカウンターという最大の狙いを実現できる場面は少なかった。ボール回収の位置は低いエリアとなり、自ずと相手ゴールが遠い地点からの攻撃展開が必要となった。

 そこで日本が見せたのは、アバウトな攻めの連続だった。前の選手は裏のスペースを狙い、そこに後方の選手は通る確率の低い長いレンジのパスを蹴る。唯一、最前線で体を張った大迫勇也のポストプレーが決まった時は、複数人が絡む速攻も見られた。

 とはいえ、これでは偶発的にゴールを呼び込むことぐらいしかできないだろう。実際に非公開で行われている練習でも守備の確認に時間を割くことが多く、攻撃連係は単調なパターンを繰り返し行なっているだけのようだ。

 あらためて言えること、それはハリルホジッチ監督のサッカーにおいて、攻撃面はかなり個人能力に頼る戦い方だということだ。

【次ページ】 メキシコで好調の本田を起用するポジションは……。

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