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今季の箱根は3強体制になるのか。
全日本を制した神奈川大の本音は? 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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posted2017/11/06 11:40

今季の箱根は3強体制になるのか。全日本を制した神奈川大の本音は?<Number Web> photograph by Kyodo News

青学、東海大の2強かと思われた今年の駅伝シーズンに、神奈川大が名乗りをあげた。箱根もデッドヒートになりそうだ。

アンカーの鈴木健吾は、高2の冬に神大入りを決めた。

 そして、忘れてならないのはリクルーティング、人材獲得競争での努力だ。

 今回ゴールテープを切った鈴木健吾は、今や東京オリンピックを狙う逸材となったが、大後監督のレーダーにかかってきたのは鈴木が無名も無名、まだ彼が宇和島東高校1年の時だった。

「『いい走りをする選手がいます』という情報をもらいましてね。彼がブレイクしたのは高校3年のインターハイの時でしたが、ほとんどの監督さんはノーマークだったと思います。インターハイのゴールの瞬間、『あの選手は、どこかに決まってるのか?』という声が聞こえたので、私が『ウチに決まってます』と手を挙げたんですよ(笑)」

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 鈴木が神奈川大に決めたのは、高校2年の冬のことだった。「先着」がリクルーティングのキーワードだった。

「青山学院さん、東海さん、選手たちは強い学校に惹かれて当然です。だったら、ウチは初動を早くするしかない。高校2年の段階で5000mを14分45秒で走れるのなら、神奈川大としてはスカラシップ(奨学金)の対象選手になります」

 鈴木が入学してきた2014年を境に、選手たちの力は向上し始めた。箱根駅伝では2015年17位、2016年13位と上昇気流に乗り、2017年には2区で鈴木健吾がトップに立ち、往路は6位、総合では5位に入って、シード圏内に帰ってきたのである。

 そして今年の1月、合宿所に大後監督を訪れると、「来年(2018年)の箱根は、往路優勝を目指します」と、監督は宣言したのである。

「ひょっとしたら、ひょっとするかな」

 その前に、全日本の歓喜が訪れた。指揮官は、絶対に手応えを感じていたはずなのに、レース前も、

「まあ、最低限シード獲得の6位あたりで……」

と多くを語らなかった。しかし、8人全員が見事な走りを見せて優勝を飾ると、少しばかり本音を話してくれた。

「事前にひょっとしたら、ひょっとするかな、という思いはありました。でも私がそんな思いを少しでも出したら、選手たちは勘違いしてしまうかもしれない。だから、順位目標は一切口にはしませんでした」

【次ページ】 今回の学生の走りは何点ですか? と聞くと……。

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