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今季の箱根は3強体制になるのか。
全日本を制した神奈川大の本音は?
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byKyodo News
posted2017/11/06 11:40
青学、東海大の2強かと思われた今年の駅伝シーズンに、神奈川大が名乗りをあげた。箱根もデッドヒートになりそうだ。
今回の学生の走りは何点ですか? と聞くと……。
今回の全日本のポイントは、鈴木健吾以外の7人がどんな走りをするか、という部分にあった。
「アンカーの健吾が走るのは分かってましたから、それまでの7人がどういった形で健吾にタスキを渡せるのか、その一点が今回の全日本のポイントでした」
ならば、今回の学生の走りは何点ですか? と聞くと、
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「満点」
とひと言いうと、大後監督はそこで初めて破顔一笑した。学生の走りが、本当にうれしかったのだろう。
今回の全日本での優勝は、箱根駅伝に新たなストーリーラインを生んだ。
目標は往路優勝ではない。
きっと、総合優勝だ。
しかし、ここでも大後監督は淡々としていた。
「東海大、そして青学大の選手たちは忸怩たる思いを持っていることでしょう。彼らは強いですから。ウチはもう一度引き締め直して、再チャレンジです」
11月21日に53歳を迎える大後監督は、再び天下取りを目指す。
箱根の彩りがますます豊かになってきた。