酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
CSを占う3つの視点と膨大なデータ。
キーワードはちゃら、時価、救援。
posted2017/10/13 11:30
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama
10月10日でNPBのレギュラーシーズンは終了した。これからは14日から始まるクライマックスシリーズ(CS)に突入する。
よく、高校野球では「準々決勝が面白い」と言われる。ともに2~3試合を戦って、甲子園での戦い方に慣れた8つのチームが、1日4試合でぶつかり合う。掛け値なしの実力勝負になり、熱戦が期待できるからだ。
同様に、私はプロ野球は「クライマックスシリーズ」が面白いと思う。
日本シリーズは、交流戦の3試合を除いて実戦で対戦がないチーム同士の戦い。互いに相手チームの状態が良くわからないので、腹の探り合いになったりする。またワンサイドゲームになることも多い。
しかしCSは、シーズン中25回も戦って相手の強みも弱みも熟知した同士の戦いだ。好勝負になることが多いのだ。
CSはない方がいい、というファンも多いようだが……。
ある調査によれば、野球ファンの多くは「CSは、ないほうが良い」と言っているという。せっかく半年間も戦って1位になったチームが、たった数試合の勝敗で下位チームに日本シリーズの出場権を譲らなければならないのは理不尽だ、というのだ。
その気持ちはよくわかる。そういう目にあったチームのファンはたまらないだろう。
しかし、私のような「無所属野球ファン」にとっては、レギュラーシーズン終了後にこういう「お楽しみ」ができたのは、誠に喜ばしい。
いつもの選手たちが、まるでトーナメント戦に挑むようにまなじり決して試合をするのだから。
CSはパは2004年から(当初はプレーオフ)、セは2007年から始まった。すでに10年以上の歴史があるが、まとまった通算成績が紹介されたことはなかった。
そこでこの度、老眼と腰痛に鞭打って(腰痛に鞭打ったら余計重症になるが)、全部の記録を集計した。
その上で、CSの魅力を3つのポイントから紹介したいと思う。