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ラグビーW杯まで2年、観客動員は?
五郎丸効果に加えて本気度上昇中。
posted2017/08/25 08:00
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Kyodo News
俺たちは、声援に飢えている──ラグビートップリーグの新シーズンのキャッチフレーズだ。
ラグビーW杯の残照に照らされた'15-'16シーズンの開幕節は、1試合平均で8449人を動員した。開幕8カードのうち2つで、1万人以上の観衆を集めた。
同期間の1開催平均の観客動員は、過去最高の6470人となった。1試合平均ではなく「1開催平均」となっているのは、同日同会場で2試合開催することがあるからである。南アフリカ撃破を含む3勝1敗の成績を残したW杯が、4000人台で推移していた平均観客数を力強く押し上げた。
ところが、右肩上がりとはいかない。翌'16-'17シーズンの開幕節は、1試合平均の観客が5276人だった。シーズン通算の観客動員は前シーズン比で3万人強の減少となり、1開催平均は5059人となった。
ラグビーW杯の日本開催を2年後に控えるなかで、大きなうねりを起こしていきたい。起こしていかなければならない。そうした強い思いの表われが「俺たちは、声援に飢えている。」とのキャッチフレーズにつながっているのだろう。
2002年にW杯を自国開催したサッカーの場合。
W杯を開催する競技の国内リーグは、事前にどれぐらいの盛り上がりを見せるものなのか。2002年の日韓W杯へ向けて、サッカーJリーグがどのような歩みを見せたのかを調べてみる。
日本代表がW杯に初出場した'98年のJ1は、1試合平均の観客動員が1万1982人だった。フランスで世界と真剣勝負を演じた日本人選手だけでなく、母国の代表としてW杯に出場したドゥンガ(ジュビロ磐田)やストイコビッチ(名古屋グランパス)のようなスーパースターも、観衆を惹きつけていた。
W杯の余熱が引いた翌'99年は、1試合平均の観客動員が1万1658人に微減した。翌2000年も伸び悩んだ。1万1065人と前年を下回った。
回復基調に乗るのは、'01年からである。フィリップ・トルシエのもとで日本代表に選出されていたGK川口能活、MF小野伸二、稲本潤一、FW高原直泰、西澤明訓らが海外へ移籍していったものの、日韓W杯開催への機運がJリーグに活気を呼び戻していった。