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ラグビーW杯まで2年、観客動員は?
五郎丸効果に加えて本気度上昇中。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKyodo News
posted2017/08/25 08:00
試合後にファンにサインする五郎丸歩。投げ込まれたサインボールよりも、書いてもらう体験こそがファンには嬉しかったりするのだ。
動画には自虐もまじえて、吹っ切れた気配?
付加価値の提供も進む。
選手たちが観衆と触れ合う「グリーティングタイム」は、トップリーグの優れたプログラムだ。今季は試合後のグラウンドを基本として、選手たちがピッチサイドでハイタッチ、握手、写真撮影などに応じる。
8月19日の秩父宮ラグビー場は雷雨に見舞われ、雷雲が去っても間断なく雨が降り注いだ。観戦にはかなり厳しいコンディションだったが、試合後のグリーティングタイムでは笑顔がこぼれた。夏休み中の子どもたちにはかけがえのない時間となったはずで、リピーターを増やしていく期待感を抱かせる。
リーグが制作したプロモーション動画も秀逸だ。『トップリーグの逆襲!』と名付けられた作品にはトップリーガー自らが出演し、ラグビーとトップリーグの魅力を飾ることなく伝えている。プロ野球やJリーグとの比較は少しばかり自虐的なところがあるものの、それがまたラグビーをもっと知ってほしい、ラグビーW杯への勢いを生み出したい、との真っ直ぐな思いを表している。
エンタテインメントとしての完成度が高い作品だけに、ラグビーに馴染みのない人でも十分に楽しめる。そして、トップリーグに興味を持つきっかけにもなり得る情報が詰まっている。2年後のラグビーW杯への起爆剤は、意外なところにあるのかもしれない。