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清宮はオヤジジャーナルの星だった。
プチ鹿島7月のスポーツ新聞時評。
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byHideki Sugiyama
posted2017/07/31 17:00
インタビューに対する受け答えもしっかりしていた清宮。この3年間の異常なフィーバーの下でよく活躍してくれた、と称えたい。
「インターハイ特別基金」でなんとか寄付を!
インターハイの開催経費の7割から8割は開催地が負担するので、新たに手を挙げる地域がなかなか見つからない。'20年はこういった特殊な事情なので全国高体連としては「開催費用は心配ない」と約束したいけどまだ7億円足りない。なので記事にもあるように高校生に負担してもらう極論も出ているのだ。
全国高体連に登録する高校生は約120万人。1人年約200円で、3年間で7億円が集められるという案。もちろんそんなことはしたくないので「インターハイ特別基金」を多くの人に知っていただきたい、という話だった。
「五輪まであと3年」と各紙お祭りムードが漂うなかで、サンスポのこの記事は考えさせられた。
《“未来の五輪選手”の晴れ舞台が、五輪のせいで奪われるという皮肉な事態だけは避けなければならない。》
という記事の締めもその通り。
皆さんは知ってましたか、この話題。
五輪に浮かれるのはまだ早い。
この3年間、清宮は「オヤジジャーナルの星」だった。
7月30日、ツイッターの「モーメント(Today's Moments)」欄に、「『なぜ清宮選手ばかり取り上げるの?』マスコミへの疑問の声」というまとめがあった。
この日、西東京大会の決勝で東海大菅生が甲子園出場を決めたが「清宮の高3の夏が終わった」という論調が多かったことに疑問を覚えた人が少なくなかったのだろう。
では清宮がいかにこの3年間「オヤジジャーナルの星」だったか振り返ってみる。
2年前、早実の清宮幸太郎選手は「スーパー1年生」としてスポーツ新聞の救世主となった。
《話題の怪物の姿を一目見ようと、この日は7000人の観客が詰めかけ、球場は超満員。球場脇の屋台では通常600本ほどのペットボトル飲料を倍の1200本用意した。》(東スポWeb・2015年7月21日)