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主力が軒並み不在で、調子も全然。
イタリアとはいえ、U-20は勝てる! 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2017/05/27 07:00

主力が軒並み不在で、調子も全然。イタリアとはいえ、U-20は勝てる!<Number Web> photograph by AFLO

開幕当初のイタリアは底だったが、日本にとっては3戦目に対戦があるのは不運かもしれない。彼らの状態はどこまで戻っているだろうか。

コンディションも万全ではない?

「大会の目標は、1試合1試合戦っていく中で見つけていきたい」

 主将マンドラゴーラ(ユベントス)の言葉は、代表チームの目標設定があやふやなことを意味している。

 ウルグアイ戦では、フィジカル・コンディションの調整不足が目についた。

 イタリアには、セリエBの長丁場でシーズンの疲労を蓄積させる者もいれば、MFマンドラゴーラのように今季ほとんど実戦でプレーしていない者もいる。

 MFバルベルデ(レアル・マドリーB)や今夏のユーベ入団が内定しているMFベンタンクール(ボカ・ジュニオールス)など、多くのタレントを擁する優勝候補ウルグアイに対し、イタリアは攻守を問わず一歩遅れる場面が目立った。

 有望株の1人とされるMFオルソリーニ(アスコリ)は右サイドで先発したが、切れがなく後半途中でベンチへ下がった。オルソリーニは常勝ユーベが今年1月、この年代の選手にしては異例の総額1千万ユーロを払って保有権を買い取った選手だが、ウルグアイ戦での縦への動きは鈍かった。

 オルソリーニに代わって途中出場したMFギリヨオネ(スパル)が攻撃のリズムを変えると、センターFWファビッリのゴール前の動きも俄然良くなった。代表監督エバーニにとって、水原でチームに差した一筋の光明だろう。

怖れる必要はない。イタリアを撃破せよ。

 守備陣は連携を深めるどころか、代表招集からろくに練習時間もとれず、ほとんどぶっつけ本番で初戦を迎えた。

 その中で、先発のGKザッカーニョ(プロ・ベルチェッリ/セリエB)は、76分のウルグアイFKで壁役との位置取りの甘さから決勝点を決められたものの、43分のPK阻止を含む好セーブを連発した。

 調子は底を打ち、注目度は低くとも、彼らには彼らなりの意地がある。

 それでも、初戦の印象で言うなら、フィジカル・コンディションで優位にあるのは明らかに日本だ。

 個々のテクニックや組織プレーの面でも、決して臆する必要はない。

 では、日本は最終節で立ち向かってくるイタリアにどう対峙するか。問われるのは、やはりメンタルの強さだ。

 イタリアU-20代表には、強気の化物のようなブッフォンやトッティはいない。伝統国の看板に惑わされるな。イタリアを撃破するのは、今だ。

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