セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
主力が軒並み不在で、調子も全然。
イタリアとはいえ、U-20は勝てる!
posted2017/05/27 07:00
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AFLO
未知の敵に挑む場合、相手を侮ることは禁物だが、警戒しすぎて萎縮する必要はない。
それが伝統国イタリアであっても、だ。
U-20W杯を戦う日本代表にとって、27日のグループリーグ最終節は、おそらく決勝トーナメント進出をかけた一戦になる。天安でぶつかるイタリア代表は、如何なる相手なのか。
南アフリカとの初戦に快勝し意気上がる日本とは対照的に、21日、イタリアはウルグアイとの初戦を0-1で落とした。
「優勝を目指す」と公言する南米王者ウルグアイとの一戦はグループDの首位突破をかけた最重要カードだったが、勝ち点0に終わった“アズリーニ(=小さなアズーリ)”は苦境に立たされた。
否、彼らの逆境は大会前から始まっていた。
主力が次々と離脱し、エースFWもいない。
「ベストメンバーは組めないが、韓国では全力を尽くしたい」
イタリアU-20代表監督エバーニが大会へ出発する前に残した言葉は、いかにも頼りないものだった。
無理もない。想定していた有力選手の招集が次々に不可能になったからだ。
1997年1月1日以降生まれの招集可能な選手の内、まず昨年のU-19欧州選手権でゴールマウスを守ったGKメレト(スパル/セリエB)がコンディション不良を理由に辞退した。
今季のセリエAでブレイクしたMFロカテッリ(ミラン)やFWキエーザ(フィオレンティーナ)は、6月にポーランドで開催されるU-21欧州選手権に飛び級招集されることがほぼ決まっている。
とりわけ誤算だったのは、DFディマルコ(エンポリ)の代表合流が大会開幕後の今もかなわないことだ。
インテルからレンタル修行中のディマルコは、今代表における数少ないセリエAレギュラーの1人で、昨年のU-19欧州選手権では4ゴール(3PK)を上げたチームのトップスコアラーだ。