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鈴木大地長官と池田純が語り尽くした、
大学スポーツとアリーナの輝く未来。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byNumber Sports Business College
posted2017/04/20 14:00
鈴木長官が語った、「アリーナ」にある大きな可能性。
鈴木「私もこの長官という仕事に就いて、いろいろなところに視察へ行きました。直近で言えば、青山学院大の体育館に、Bリーグの日立サンロッカーズ渋谷の試合を観に行きました。大学施設を、地域密着のプロチームのホームアリーナとして活用するといった点では、非常に画期的な取り組みが実現した第一歩かと思っています。このときの率直な印象は、『意外におとなしくやっているな』というものでした。
なぜだろうと思って関係者に訊くと、ここではバスケを観ながらお酒を飲めないと。アリーナではあるけど、教育施設だからお酒を出せないということでした。
入場料を取るアリーナビジネスとしては、なかなか良い展開ができませんよね。それならば発想を変えて事業として新規のアリーナを作って、プロリーグの試合等に貸し出したり、そこで大学の行事や授業をできるようにする施策を考えたりすべきなのかなと思っています。
サッカーなどのスタジアムとアリーナを比べた場合、スタジアムは規模も大きくなりますし、芝生の管理なども含めると、ちょっとハードルが高い部分があります。一方でアリーナは、いろんなスポーツができますし、文化施設や防災施設としても機能する。もしかしたら、アリーナ整備を先に広めたほうが、全国にスポーツ文化も根付くし、一挙にいろんな自治体で動きが活発になってくる可能性があると思っています」
NBAで見た“かっこいいアリーナ”の理想形。
池田「ビールが飲めないのは、辛いですね(笑)。僕はまだ明治大学に関わり始めて間もなくて、まだ観に行けていない施設がほとんどなのですが、ひとつ感じているのは、日本にはかっこいいアリーナがないということです。
この間、ロサンゼルスのステイプルズ・センターに、NBAのレイカーズの試合を観に行きました。アリーナの外にはシャキール・オニールがダンクする銅像があって、そこにたくさんの人が写真を撮りに集まっている。細部のひとつひとつがかっこいいし、それを作るためにお金がかかるかと言えば、そうでもないと思うんです。
中に入れば、デジタルサイネージ(映像による電子看板)もすごくかっこいいし、ブルーノートみたいなボックスシートもたくさんある。あそこまで作ると、すごいお金がかかるでしょうから、日本の場合は『かっこいいアリーナ』という観点を持って、既存施設をリニューアルするやり方でもいいと思います」