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「嫌われる勇気」の著者が驚いた
エディー・ジョーンズの人間理解。

posted2017/04/13 07:00

 
「嫌われる勇気」の著者が驚いたエディー・ジョーンズの人間理解。<Number Web> photograph by Tomoki Momozono

アドラー心理学に触れたことはないというエディー・ジョーンズ氏だが、その指導哲学は『嫌われる勇気』のお手本のようだった。

text by

古賀史健

古賀史健Fumitake Koga

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Tomoki Momozono

 きっかけは去年の8月、「Number 908・909・910」合併号だった。特集タイトルは「甲子園最強打者伝説」。表紙を飾るのは、PL学園時代の清原和博である。およそ半年前に覚せい剤取締法違反容疑で逮捕された彼を、あえて表紙に持ってきた松井一晃編集長。その「勇気」に驚いた私は、こんなツイートをした。

「いま、清原を表紙にする。『やらない理由』は山ほどある。『やり抜く理由』は、ひとつしかない。Number編集長は、自分を信じ、読者を信じている。ひさしぶりにかっこいい編集を見た。」 

 この投稿は8000以上リツイートされ、195万もの方々に閲覧された。そして松井編集長からご連絡をいただき、会食の席を設けていただいた。デスクの高橋夏樹さんと共に現れた松井編集長。あの甲子園特集号が生まれた経緯、アドラー心理学を扱った拙著『嫌われる勇気』への感想、そしてさまざまなスポーツ談義に花を咲かせた後、「いつか、なにかでご一緒できるといいですね」と店を出た。編集者とライターとが別れるとき、必ず交わされる社交辞令だ。普段、ビジネス書の分野で活動している自分と「Number」さんのあいだに、接点などあるはずがない。礼を尽くしてくださったことに感謝しつつ、そのまま別れた。

アドラーの語る勇気は、アスリートにこそ必要。

 ところが今年の1月、あのときの言葉が社交辞令でなかったことを知らされる。「アドラーの語る『勇気』は、アスリートにこそ求められているのではないか。そして世界で活躍するトップアスリートたちは、アドラー的な『勇気』を持ち合わせているのではないか」。松井編集長と高橋氏は、そう言って今号「スポーツ 嫌われる勇気」特集への協力と執筆を打診してきたのだ。

【次ページ】 「ひょっとしたら、エディーさんじゃないかな」

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