マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
大阪桐蔭に流れる“投”のDNA。
中田、藤浪、そして徳山の共通点。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byHideki Sugiyama
posted2017/04/04 11:30
大会を通じて徳山壮磨の投球はどこまでも安定していた。それは、力ではない要素が球にこもっているからなのだ。
中田、藤浪、澤田、そして徳山と繋がるDNA。
剛・柔を使い分け、タイミングを支配し、終わってみれば、チームに勝利をもたらしてくれる。
“大黒柱”とは、こういうものであろう。
ふっと頭に浮かんだことがある。
中田翔(日本ハム)に藤浪晋太郎(阪神)。藤浪と投の両輪だった澤田圭佑(オリックス)もそうだったし、昨年の高山優希(日本ハム)だって力みが抜けてからストレートが走り出してプロに進んだ。
速い球を投げようとしない。タイミングを支配しようとする意識を大切に賢く投げて、それでいてここ一番では、自然とスピードが上げられるパワーも隠し持つ。
そのへんが、大阪桐蔭の“投”のDNAだとしたら、いつも強い大阪桐蔭、いつまでも強い大阪桐蔭が、むこうしばらく天下を取り続けても、なにもおかしくはない。