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なぜ平良拳太郎がプロテクト外に?
巨人の人選過程を妄想してみた。 

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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photograph byKyodo News

posted2017/01/19 11:00

なぜ平良拳太郎がプロテクト外に?巨人の人選過程を妄想してみた。<Number Web> photograph by Kyodo News

山口俊の移籍はもちろん痛いが、DeNAとしては平良拳太郎を獲得し、してやったりの結果ではないだろうか。

これほどの好素材をなぜプロテクトから外したのか。

 とにかく柔らかい。

 関節の可動域の広さは、そのままその先の体が生む大きな運動量に比例する。しなやかな腕の振りが生む遠心力の大きさは、そのまま平良拳太郎のボールの“嫌らしさ”になって、打者をはっきり苦しめていた。

 昨年のイースタンでは、6勝2敗、防御率2.31。完投2回のうち1回は完封、何より、課題だったコントロールがよくなっていた。9回投げておよそ2四死球なら、安定感がある、という表現を与えてもよいだろう。

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 それほどの好素材を、なぜプロテクト28選手から外したのか?

 巨人は人気球団である。

 野球ファンなら誰でも知っているビッグネームが居並んで、そういう“看板”を掲げている選手たちだけ選んでも、28人の枠などすぐに埋まってしまう。しかし、3年後、5年後の王国を担っていくべき生え抜きの若手選手の存在は、人材豊富な巨人とはいえ、不可欠のはずだ。今の“若手地図”を眺めれば、とりわけ投手のカテゴリーで、平良拳太郎が外れるわけがない。

坂本、長野とあっという間に25人くらい埋まり……。

 ここからは、私の邪推が始まる。妄想といってもよい。

 プロテクト枠の28人。

 球団首脳が人選を始める。

 キャプテン・坂本勇人に始まって、長野久義、阿部慎之助……エース・菅野智之に、手術からの復帰直後とはいえ精神的支柱の内海哲也、なんだかんだ言われても中継ぎの澤村拓一に、田口麗斗に田原誠次。捕手・小林誠司だって外せない。

 そんな感じで、あっという間に25人ぐらいはあっさり決まって、さあ、あとの3人がなかなか決まらない。

 投手で今村信貴、野手で山本泰寛、中井大介、橋本到に堂上剛裕だろうか……。その中に、平良拳太郎の名前もあったとしたら。

 さあ、どうする?

【次ページ】 DeNAは平良を欲しがらないと判断した?

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