サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER

日本サッカー界を表す文字は「U」。
UNDER、UCHIDA、そしてUPSET。 

text by

戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

PROFILE

photograph byAFLO

posted2016/12/31 08:00

日本サッカー界を表す文字は「U」。UNDER、UCHIDA、そしてUPSET。<Number Web> photograph by AFLO

久保建英は2016年サッカー界が生んだ最大のスターと言えるだろう。飛び級のU-19でも、期待を常に上回る存在感を発揮している。

久保建英のU-19飛び級参加もUNDERの事件だった。

 果たして、9月開幕のU-16選手権で、日本は3位に食い込んだ。2大会ぶりのU-17W杯出場を勝ち取ったのである。

 10月に開催されたU-19選手権では、内山篤監督のチームが大きな仕事をやってのける。4大会連続で出場を逃していたU-20W杯の扉を開いただけでなく、史上初の優勝を成し遂げたのである。

 2016年に開催されたU-16、U-19、U-23のアジア予選で、世界大会の出場権をすべて勝ち取ったのは日本だけである。アジアにおける復権は強化に継続性をもたらし、U-16世代の久保建英がU-19の遠征に招集されるといった波及効果をも生み出している。2020年の東京五輪へ向けた強化の起点としても、'16年のアンダーカテゴリーの戦いぶりは価値を持つのだ。

A代表でも、UNDER世代が一気に台頭してきた。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が統べる日本代表には、世代交代の波が押し寄せてきた。日本代表を長く牽引してきた北京世代を脅かす存在として、ロンドン世代が結果を残したのだ。

 そのひとりが原口元気である。ヘルタで定位置をつかんでいるこの25歳は、最終予選の初戦で躓いたチームの支えとなった。タイとの第2戦から4試合連続でネットを揺らし、前半戦を2位で折り返す原動力となったのである。

 所属クラブでの好調ぶりを代表へ持ち込んだのは、大迫勇也にも共通する。およそ1年半ぶりの招集となった11月のサウジアラビア戦で、攻撃の起点としてはっきりとした存在感を示した。

 日本代表はまとまった練習時間が保証されず、各選手が所属クラブで試合に出ているか否かがチームのパフォーマンスに直結する。それだけに、本田圭佑、香川真司、岡崎慎司らに見劣りしない存在として、原口や大迫が地力を蓄えてきたのは'17年につながる好材料だっただろう。Jリーグでベストイレブンに選出された齋藤学、今夏に移籍したヘーレンフェーンでポジションを確保する小林祐希らも、ハリルホジッチ監督の選択肢となっていくはずだ。

【次ページ】 年末に届いた吉報は、UCHIDAの復帰。

BACK 1 2 3 NEXT
手倉森誠
原口元気
大迫勇也

サッカー日本代表の前後の記事

ページトップ