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日本サッカー界を表す文字は「U」。
UNDER、UCHIDA、そしてUPSET。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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posted2016/12/31 08:00

日本サッカー界を表す文字は「U」。UNDER、UCHIDA、そしてUPSET。<Number Web> photograph by AFLO

久保建英は2016年サッカー界が生んだ最大のスターと言えるだろう。飛び級のU-19でも、期待を常に上回る存在感を発揮している。

年末に届いた吉報は、UCHIDAの復帰。

 U-23世代の遠藤航、植田直通、大島僚太、久保裕也、浅野らも、最終予選を戦うチームに絡んでいる。定位置奪取に至っている選手こそいないものの、浅野はタイ戦でゴールをあげ、久保はサウジ戦でスタメンに名を連ねた。

 グループステージ敗退に終わったリオ五輪の悔しさは、それぞれの胸中でいまも息づいている。所属クラブの事情で出場を認められなかった久保も、違った意味での悔しさを日本代表にぶつけている。U-23世代での活動を土台とした彼らの成長が、ロシアを目ざすチームをさらに活性化していくはずだ。

 '16年の終盤には、待ち望んだ吉報が届いた。内田篤人の戦列復帰である。12月8日に行なわれたヨーロッパリーグで、639日ぶりにピッチへ戻ってきたのだ。

 代表復帰を語るのは、まだ少し早いかもしれない。それでも、ハリルホジッチ監督には嬉しいニュースだろう。日本サッカー界にとっても、ひと足早いクリスマスプレゼントとなった。

2016年の締めに相応しかった鹿島のUPSET。

 日本サッカー界へのクリスマスプレゼントは、もうひとつあった。鹿島アントラーズのクラブW杯準優勝である。

「U」の一文字から「UPSET」の単語を連想し、その意味を「覆す」や「動転させる」と理解する。Jリーグ王者として参戦した彼らは、南米王者のアトレティコ・ナシオナルを鮮やかな戦いぶりで退け、レアル・マドリーとの決勝でも一度はリードを奪った。

 スペインからやってきたメガクラブには延長戦で振り切られたものの、石井正忠監督とその仲間たちの戦いぶりは、戦前の予想を大きく覆すものであり、南米と欧州のチャンピオンを慌てさせた。日本サッカーに誇りを抱かせてくれた鹿島のクラブW杯は、'16年を締めくくるトピックスに相応しいものだっただろう。

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