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ブレーヴス黄金期を作った76歳。
剛腕GMと野球の殿堂。 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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photograph byGetty Images

posted2016/12/10 07:00

ブレーヴス黄金期を作った76歳。剛腕GMと野球の殿堂。<Number Web> photograph by Getty Images

1990年代から2000年代にかけて黄金期を築いたブレーブス。地区優勝14連覇はシャーホルツ氏の手腕があってこそである。

GM在任17年間で5割9分3厘は大リーグ最高成績。

 '81年、シャーホルツは史上最年少(当時)でロイヤルズのGMに就任する。最大の強みは成績の安定だった。89年までGMを務めて地区優勝は2度だけだが、勝ち越し6回、90勝以上3回という着実さが侮りがたい。85年には球団創設以来のワールド・チャンピオンに輝いているが、このときは、ALCSもワールドシリーズも、1勝3敗と土俵際に追い詰められてからの逆転劇だった。

 だが圧巻は、'91年から2005年までの15年間だろう。この時期、ロイヤルズを去ってブレーヴスでGMを務めたシャーホルツは、ストでシーズンが短縮された'94年を除いて、なんと14回も地区制覇を果たしているのだ。その間、100勝以上のシーズンが6回。ポストシーズンで詰めを誤ることが少なくなかったため、「短期決戦に弱い」と陰口を叩かれたが、GM在任17年間('91~'07)で5割9分3厘という勝率は、この期間の大リーグ最高成績だ(同じ期間の2位はヤンキース)。まさしく「王朝」の名にふさわしい。

グラヴィン、スモルツら若手が続々と飛躍した。

 このときのシャーホルツは、就任早々、派手な仕事をやってのけた。'90年に65勝97敗とナ・リーグ西地区最下位に沈んでいたブレーヴスを、94勝68敗の好成績でリーグ優勝に導き、ツインズと戦ったワールドシリーズでも第7戦までもつれこむ善戦を見せたのだ。前年まで5年間GMを務めていたボビー・コックスを監督に転身させ、シャーホルツを新GMに招いた人事が功を奏したわけだが、シャーホルツは初年度の勝利に浮かれることなく、持ち前の「長期計画」を着々と実行に移していく。

 '91年当時のメンバーを思い出してみよう。先発陣では5年目のトム・グラヴィン(開幕時25歳)、4年目のジョン・スモルツ(24歳)、2年目のスティーヴ・エイヴァリー(20歳)が大きく飛躍している。一方、打線では3年目のデヴィッド・ジャスティス(24歳)や5年目のロン・ガント(26歳)らと並んで、FAで獲得したテリー・ペンドルトン(30歳)がリーグMVPに輝く活躍を見せている。

【次ページ】 「強いチームの維持」は、彼のテーマだ。

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#ジョン・シャーホルツ
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