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Jトライアウトの再就職率は87.5%!
人情よりも、進路こそが本質では?
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph bySatoshi Shigeno
posted2016/12/08 15:00
多くの選手が移籍先を見つけ、次の年もサッカーで生活をすることができる。トライアウトの本質を考えさせられた1枚の張り紙。
今年は103人が参加、何人が進路を見つけられるか。
田中佑は合計出場時間が2554分を数えた中で、特筆すべきは警告・退場ともに1枚ももらわなかったことで、Jリーグから初となるフェアプレー個人賞を受賞した。
またJ2北九州を契約満了となりながらもJ1川崎フロンターレに拾われ、ファーストステージ終盤戦からセカンドステージ中盤戦までレギュラーとして起用されたFW大塚翔平もトライアウトをきっかけに這い上がった好例と言える。
8日に行われたトライアウト午前の部では、コンサドーレ札幌に所属したMF神田夢実が3得点を決めて"ハットトリック"を達成した。その神田は「特に正式なオファーがなくてまだ何もわからないですが、(関係者が)見てくれてはいました。結果として目に見える結果が出せたのはいいアピールになったと思います」と自らの存在価値をアピール。その後クラブ関係者から声をかけられる場面もあった。22歳という年齢もあり、再浮上のチャンスはまだまだある。
今回のトライアウトには9日に行われる第2回を含めて、計103人の日本人選手がプレーする。関係者がしっかりと戦力になるかと判断する場となっている貴重な機会で、選手たちが即席チームながら自分の良さを必死にアピールする。
そこには涙を誘う背景やエピソードだけでなく、サッカーのプロ選手としての矜持がある。