福西崇史の「考えるサッカー」BACK NUMBER
福西崇史が分析するイラク&豪州戦。
清武&原口の可能性と、天敵ケーヒル。
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph byTakuya Sugiyama
posted2016/10/11 10:30
トップ下として原口の先制点を導き出した清武弘嗣。岡崎らとのコンビネーションに磨きがかかれば、確実に日本の中軸を担う選手になれる。
“ケーヒルの厄介さ”を体感した2つのポイント。
ケーヒルと言えば身長(180cm)の割に圧倒的な空中戦の強さのイメージがあるかと思います。それと同時に僕が対戦した際に感じたのは「マークしにくい場所にポジショニングする」、「プレーにメリハリをつけてくる」という2点です。
"ボランチとセンターバックのどちらがマークするんだ?”というスペースでボールを待つことが、ケーヒルは抜群に巧い。また常に100%でプレーするというわけでなく、言葉は悪いかもしれないけど“ダラダラと”動いていると思った瞬間、一気にトップスピードに入ってくる。この駆け引きの上手さを出させないようにするのが必要です。
日本は現在のところグループ4位。アウェーでのオーストラリア戦は勝ち点3を奪いにいく意識は持つべきですが、展開によっては引き分けでも良しとする状況になるかもしれません。流れを読んで、選手全員が意思統一させて試合を運べるか。タイ戦、イラク戦で連勝したからこそ、気持ちに余裕を持ちつつ敵地に乗り込んでほしいところです。
(構成・茂野聡士)