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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「スターダムにいた方が条件はいいだろうけど…」岩谷麻優“マリーゴールド電撃入団”の真相とは? ロッシー小川が語る“旗揚げ1周年”のリアル
posted2025/05/20 17:35

ロッシー小川のもとに岩谷麻優が帰ってきた。5月1日のマリーゴールド入団会見で
text by

原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
「ようやくという感じ」岩谷麻優“電撃入団”の真相
旗揚げ1周年記念大会(5月24日、国立代々木競技場第二体育館)を迎えるマリーゴールド代表のロッシー小川は、にっこりと話し始めた。
「ようやくという感じです。岩谷麻優は動かないことで得をしてきた選手です。KAIRI(宝城カイリ=カイリ・セイン)やイヨ(紫雷イオ=イヨ・スカイ)が、アメリカに動いた時も、何も行動せずに今の地位を得た。自分で何かやるタイプじゃなく、お膳立てされて……という感じですから。今回が初めてじゃないですか、自分の意思で動いたのは。スターダムにいてももうやることないでしょうし、移ってよかったと思っているでしょう」
4月28日にスターダムを退団した岩谷は、5月1日に都内のホテルで小川と同席して電撃的なマリーゴールド入団会見を行った。そして、3日後の5月4日には後楽園ホールで高橋奈七永と激しいシングルマッチを戦った。「準備が良すぎる」といった声もあったが、「ようやく」という言葉に小川の気持ちが表れていた。
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「旗揚げメンバーのつもりでいたんですが、契約とかいろいろな問題があったので合流できなかった。1年離れていたので、逆に気を遣っちゃいますよ。今はね。前のようにほっときゃいいだろうとはならないですね。まだ、試合も少ないし、馴染んではいないでしょう。もともと馴染まない子ですから」
岩谷の性格を知っているからこそ、小川はそんなことを言った。
家出同然で山口から東京に出てきた17歳の岩谷を拾ったのは小川だった。「もしかしたら、化けるかもしれない」という直感だけだったというが、それは当たることになった。あのか細い田舎の子が「特別な存在」になると見抜けたのは、小川の経験からくる眼力だったのだろう。
「この1年は、本当に数回しか会っていないですよ。でも家族みたいなものですから、その関係は崩せないんです」
岩谷はトップで居続けないとモチベーションを保てないレスラーだった。だから、選手が多くなり、役割が分散したスターダムではそのモチベーションを失っていったのだろう。