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パラ開会式、転倒さえも印象的に。
式のコンセプトは「限界のない心」。

posted2016/09/08 17:00

 
パラ開会式、転倒さえも印象的に。式のコンセプトは「限界のない心」。<Number Web> photograph by AFLO

ロボットとのダンスを披露した冬季パラリンピックのメダリスト、エイミー・パーディー。ブラジルの先進的な挑戦が表れている。

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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AFLO

 9月7日、リオデジャネイロパラリンピックの開会式がマラカナンスタジアムで行なわれた。

 開会式のスタンドは、多くの観客で埋まった。

 冒頭、イギリスの景色の中で車いすに乗った紳士の映像が流れる。彼は飛行機でブラジルへ飛び、ブラジル国内を通り抜けてリオへ到着――。そしてその紳士、国際パラリンピック委員会のフィリップ・クレーブン会長がスタジアムに登場する。

 17mの巨大なスロープから、車いすのアスリートが滑り降りる。圧倒的な迫力に歓声が沸くと同時に花火が上がり、パフォーマンスが始まる。

 選手団の入場が始まる。先頭はパラリンピック旗を掲げた難民選手団。シリアとイランの2名が参加する。

 日本選手団は82番目の入場。旗手を務める車いすテニスの上地結衣を先頭に、笑顔が広がる。

 式のコンセプトは、「限界のない心」。

 大会組織委員会のカルロス・ヌズマン会長はスピーチでこう語った。

「セレモニーは大きな挑戦を意味します。新しい世界を創る、もっとバリアフリーな世界を創る、より公平で親しみがあり障壁がない世界を創る。難しい挑戦ですが、それが我々を成長させます」

「見た目は違っていても、同じ心を持った人たちです。すべての人に心があるのです」

 パフォーマンスの中では、リオの人々の1日を表す場面があった。プロジェクションマッピングでフィールドをビーチに模し、カラフルな衣装をまとった人々が様々に遊ぶ中には、障がいのある人も一緒に楽しむ場面があった。

五輪期間中、ブラジル市中で障がい者は見かけなかった。

 しかし、現実は異なる。

 オリンピックの期間中、ブラジルに滞在した筆者が、障がいのある人の姿を街中で見かけることは一度もなかった。バリアフリーという言葉も浸透しておらず、例えば道の段差は激しく、車いすでの往来が困難なのは見て取れた。

 つまり「挑戦」とは、ブラジル、リオにとっても挑戦なのであり、同時に、ブラジル一国だけの挑戦ではない。

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