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バスケ男子代表、米大学生に3連敗。
東京五輪への険しい道のり。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byAFLO SPORT
posted2016/08/26 17:00
NBAドラフト候補の呼び声も高い身長2m3cmの渡邊(左)。ジョージ・ワシントン大での主力となる今季は、渡邊にとっても正念場となる。
シュート精度の低さは改善の兆しが見られず。
東京で開催された第2戦は71-77の6点差と、3試合の中では一番いい勝負となった。第1戦で欠けていた思い切りのいいプレーが随所に見られたほか、GWに負けないフィジカルで激しいディフェンスで対抗していた。しかし、身体の大きな相手にフィジカルに戦った結果、ファウルが嵩み、GWに多くのフリースローを与えたことが勝敗の差となった。
浜松での第3戦は、GWの好ディフェンスの前に、とにかくシュートが入らず、28点差(47-75)をつけられての惨敗。長谷川健志ヘッドコーチは「オフェンスの意図としているところのノーマークは作れていたのに、そこでスコアできず、流れを悪くしてしまった」と敗因を語った。
どれだけいい攻撃をしても、最後にシュートを決めなくては勝てない。そのことはOQTの戦いで痛感してきたことだった。一朝一夕で改善できることではないとはいえ、OQTからさらに後退して見えたのは残念だった。
フィジカルに優る外国勢をいかに攻略するか。
「相手のプレッシャーの中でシュートを決めきれる力がないと、今後の日本は本当に勝てない」と比江島は言う。
また、今回は対戦相手の立場だった渡邊も、「僕も世界最終予選に行ったときに感じたけれど、身体能力が高い相手に対して同じようにジャンプしたのでは、全部ブロックされてしまう。身長やジャンプ力で劣る分、もう少し平面での素早さなどで勝負しなければ世界では勝てない」と、外から見て感じた日本の課題を指摘した。
これらの課題を改めて身体で感じることができたことだけでも、この親善試合を戦った価値はあった。
長谷川HCも「日本のチームの15人で合宿していても、フィジカル(の強さに慣れること)は無理。やっぱり国際ゲームをしないとわからない」と言う。
その点、大学生とはいえ、日本人選手にはないサイズや強さ、運動能力をもつ選手を相手に戦ったことは貴重な経験だった。