日々是バスケBACK NUMBER
バスケ男子代表、米大学生に3連敗。
東京五輪への険しい道のり。
posted2016/08/26 17:00
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
AFLO SPORT
8月半ば、リオ五輪で、女子バスケットボール日本代表が、世界のライバルたちを相手に予選ラウンド3勝2敗と大健闘し、準々決勝に進出を決めていたのと同じ頃、男子代表は日本でアメリカの大学チームを相手に親善試合を行っていた。
7月のオリンピック世界最終予選(OQT)で2連敗してリオ五輪に出場できなかったのだ。世界中から12カ国しか出場できないオリンピックは、男子代表にとってとてつもなく高い壁で、1976年のモントリオール五輪に出場したのを最後に、実に40年間もオリンピックの舞台から遠ざかっている。
4年後の東京五輪にしても、開催国枠が自動的に与えられるわけではない。開催国枠を得るためには、最低限、2019年のFIBAワールドカップ出場権を取り、世界と戦える実力にあることを証明する必要がある。この先約3年の最大の課題であり、何より優先するべき目標だ。
今後の日本代表を牽引する中堅世代が結集。
そんな中で開催された今回の親善試合。対戦相手は、アメリカNCAAディビジョンIに所属するジョージ・ワシントン大(以下GW)だった。
日本代表メンバーでもある渡邊雄太(今回はGW側で出場)が2年前から所属しているGWは、昨季の全米招待トーナメント(NIT)の優勝校だ(NITは全米トップ68校が招待されるNCAAトーナメントのすぐ下に位置づけられる大会)。ただし、GWのメンバーはその後代替わりしており、高校を卒業したばかりの新入生が半分を占める若いチームに生まれ変わっている。
対する日本代表は、ビッグマン補強のために加えられた32歳の太田敦也を除く14人が24~29歳の中堅選手のチーム。この先数年、代表の中心となり、率いていかなくてはいけない世代だ。
アメリカの大学チームに痛恨の3連敗……。
結果から言うと、日本代表はGW相手に3連敗し、1試合も勝てなかった。そして3試合にわたって、多くの課題を露呈した。
大阪で行われた第1戦は66-81の15点差で完敗。試合の出だしの悪さや、フィジカルの強い相手への対応力の問題が明らかだった。消極的なプレーも多く、勝ちたいという気持ちでも、GWの大学生たちに負けていた。選手たちも試合後に、「消極的なプレーや、シュートを打てるところで打てなくなったりということがあった」(辻直人)、「もっと思い切りのいいシュートを打つべきだった」(比江島慎)と反省していた。