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バスケ男子代表、米大学生に3連敗。
東京五輪への険しい道のり。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byAFLO SPORT
posted2016/08/26 17:00
NBAドラフト候補の呼び声も高い身長2m3cmの渡邊(左)。ジョージ・ワシントン大での主力となる今季は、渡邊にとっても正念場となる。
惨敗の原因は「準備不足」だけにあるのか?
ただ、国際試合をするたびに毎回フィジカルの差を感じ、できなかったことを反省するだけでは十分ではない。その差を埋めていかなくては、世界で勝てるようにはならない。
その意味で、今回、試合の結果以上に残念だったのは、コーチも選手たちも「準備不足」を口にしていたことだった。
この親善試合に向けての準備期間は「3、4日」(長谷川HC)だったという。7月上旬にOQTから戻って代表はいったん解散し、選手たちは各チームに戻った。一方、7月下旬にはOQTのチームには入らなかった若手を集めて、台湾で行われたウリィアム・ジョーンズカップに出場。このチームも帰国していったん解散。ジョーンズカップが終わってから1週間後に、主にOQTとジョーンズカップのメンバーから選ばれた15人で親善試合の準備を始めた。
練習期間が短かったひとつの理由は、秋のBリーグ開幕に向けて準備を始めている各所属チームの意向があった。どのチームも、新しく始まるBリーグに出遅れたくない。それだけに、本番の大会でない試合のために長期間にわたって選手を代表に出すことに消極的だった。代表の強化、Bリーグの準備、そして選手の休養。この3つのバランスに配慮した結果、短い準備期間となった。
「チームとしての練習不足」(長谷川HC)
GWとの3試合が終わった後、長谷川HCは「言い訳になってしまうかもしれませんけれど」と前置きして、準備の短さに触れた。
「チームとして練習する機会がなさすぎるので、なかなか私も、選手のいいところを引き出すようなところに持っていけず、それが自分自身の反省でもあります。個々の力の組み合わせという部分で、それぞれの選手のいいところをもっと引き出せるようにするには、チームとしての練習というのをもっともっとしなければいけない」
選手からも、個人的な準備不足を反省する声が出た。3試合戦って、個人的に足りなかったことは何かという問いかけに、太田も比江島も、準備不足をあげた。