五輪にスロースターターで挑める立場ではない。

　五輪最終予選で露呈した課題が、本大会でも解消されていなかったことも気になった。ミドルからの攻撃の少なさである。

　レセプションが思うように返せない影響はあったのかもしれないが、それにしても本数が少なかった。ミドルを有効に使えなければ、相手はブロックも含めて日本の攻撃の的を絞りやすくなる。

　そうしたさまざまな細かな点で、日本は成熟度の低さを露呈してしまった。

　その中でも、初戦の韓国との試合と比べれば、アメリカとの試合を迎えた時には、だいぶ状態は上向いていた。

　立ち上がりから積極的にミドルを使おうとする意図が見えたし、セッターのトスとスパイカーの関係にも改善は見られていた。

　しかし圧倒的強者ではないという日本の立場を考えれば、試合を経てゆっくりと状態を上げていく余裕はないはずだ。初戦に向けてチームを完成させ、1戦ずつ確実に勝利を手にする体制で挑む準備ができなかったのは、時間不足だけで済ませていい問題なのだろうか。

日本が敗れた3チームも全て準々決勝敗退。

　それにしても、なぜ日本は細部に目が行き届かなかったのだろうか。言い換えれば、なぜチームに芯が通らなかったのか。ロンドン五輪のように、チームの成熟が進行しなかったのはなぜか。

　大会までの強化日程も含め、これらの点は今後のために検証されなければならない。

　ちなみに準々決勝の他の試合では、日本が1－3で敗れた韓国がオランダに1－3で敗れ、日本がストレート負けを喫したロシアもセルビアに0－3と完敗。そして、やはり日本がストレートで負けたブラジルが、中国に2－3のフルセットで敗れた。

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