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リオ五輪陸上代表、10人の1991年組。
2020TOKYOは、この8月に始まるのだ。 

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金哲彦

金哲彦Tetsuhiko Kin

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photograph byAFLO SPORTS

posted2016/07/24 11:00

リオ五輪陸上代表、10人の1991年組。2020TOKYOは、この8月に始まるのだ。<Number Web> photograph by AFLO SPORTS

日本代表の発表会見に出席した(左から)衛藤昂、ウォルシュ・ジュリアン、飯塚翔太、桐生祥秀、福島千里、鈴木亜由子、海老原有希、新井涼平。

リオ五輪陸上代表の年齢分布を調べてみると……?

 ところでリオ五輪陸上競技日本代表たちの年齢分布を調べてみた。

30歳以上   27.8%
26~29歳   21.3%
25歳以下   51.1%

 ベテランはマラソンや競歩が中心である。

 フレッシュな25歳以下の世代が、半数を超える人員構成になっている。2020年を引っ張る中心選手は、間違いなくこの世代だ。

 注目したいのは、1991年生まれの25歳が10名もいること。

 1991年は、日本で初めて陸上世界選手権東京大会が開催された年。生まれて間もない1992年にバルセロナ五輪が開催され、彼らが5歳の時がアトランタオリンピック、9歳で、高橋尚子が金メダルに輝いたシドニーオリンピックを迎えている。

 バルセロナ、アトランタ、シドニーの陸上競技は、マラソンのメダル以外でも、長距離やリレーで複数入賞している。

 9歳といえば、子供心にスポーツ選手を意識し始める年齢。まさに、陸上競技のヒーローたちに憧れ、刺激を受けながら成長してきたのだ。

 種目は違えど、中学高校時代からお互い刺激しながら切磋琢磨してきた1991年生まれの代表格が、男子長距離の大迫傑(ナイキオレゴンプロジェクト)や設楽悠太(Honda)であり、女子長距離の鈴木亜由子(日本郵政グループ)だ。

 彼らがリオでどんな経験をし成果を残すか。それこそが、“2020TOKYO”に引き継がれるべき重点課題である。

リオの閉会式で、本当の2020が始まる。

 ブラジルは地球の真裏、治安や経済不安、はたまたジカ熱まで、出発前に聞くニュースにいいものは少ない。

 しかし、私は信じている。

 人類が誇るスポーツ文化のオリンピックが、人々の心に魔法をかけてくれることを。笑顔でリオ五輪が開幕し、笑顔で閉幕することを願う。

 そして闘いが終わった閉会式では、伝統のオリンピックフラッグが、当選したばかりの東京都知事に手渡される。その瞬間から、本当の2020が始まるのだ。

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衛藤昂
ウォルシュ・ジュリアン
飯塚翔太
桐生祥秀
福島千里
鈴木亜由子
海老原有希
新井涼平
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オリンピック・パラリンピック

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