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山縣、桐生、ケンブリッジ以外も精鋭。
4×100mリレー、日本新と表彰台を。
posted2016/07/30 11:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
「最高のメンバーがそろいました」
6月の日本選手権が終わった翌日、陸上100mのリオデジャネイロ五輪日本代表、桐生祥秀は言った。
その言葉のとおり、リオデジャネイロ五輪に挑む陸上男子4×100mリレーは、精鋭がそろった。
今シーズン、100mは常に注目を集め続けてきた。初の9秒台が出るのではないかと期待を集めたからだが、短距離陣が充実していた証である。
その中で、100mの代表に選ばれたのは3人。山縣亮太が故障から復帰、好調を維持すれば、桐生もときに失敗もありながら、成果を残した。さらに、ケンブリッジ飛鳥が怪我に泣いた昨シーズンをばねに飛躍し、日本選手権も制した。
10秒台前半トリオに加えて、高瀬や飯塚ら層が厚い。
100mのリオ代表に選ばれたこの3人が、まずはリレーメンバーの軸となる。今シーズンのベストタイムを見れば、桐生は10秒01、山縣が10秒06、ケンブリッジは10秒10。これまでの日本短距離を振り返れば、これだけ高いレベルで3人もそろったことはない。
さらにリレーが期待を集めるのは、層の厚さにある。リレーのメンバーの候補者は、100mの代表勢に加え、200m代表の飯塚翔太、高瀬慧、藤光謙司の計6人。今シーズンの出来からすれば、100mの3人と、ロンドン五輪でアンカーを務め、日本選手権200mで優勝、100mで10秒22の自己記録を持ち、好調を見せる飯塚が有力と言える。
この4人ばかりではない。高瀬は昨年の世界選手権でもともと1走を予定されるなど、リレーでも実績のある選手であり、藤光も日本選手権時に故障しその回復途上にあるが、世界選手権などで何度もリレーに出場している。つまり、バックアップを考えてみても、高いレベルを維持できるメンバーがそろっているのだ。