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億超え14頭、合計落札額は149億円!
セレクトセールにも競馬ブームの風が。
posted2016/07/14 11:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Junji Fukuda
日本最大の競走馬のセリ市「セレクトセール2016」が、7月11日と12日の2日間にわたり、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで行われた。初日の1歳馬セッションで14頭、2日目の当歳馬セッションで9頭の「1億円超え」が出るなど、2日間の合計落札額は、史上最高の149億4210万円(税抜き、以下同)という大盛況だった。
初日に上場された1歳馬は247頭。そのうち217頭が落札され、売却率は87.9%。昨年の88.2%をやや下回ったが、落札額の合計は、過去最高だった昨年の71億450万円を10億円以上も上回る81億3060万円に達した。
1歳馬の最高落札額を記録したのは「オーサムフェザーの2015」(牡、父ディープインパクト)で2億6000万円(馬名登録される前のサラブレッドは母馬の名と生年を組み合わせて呼ばれる)。
落札額が1億円を超えた14頭のうち、実に10頭がディープインパクト産駒だった。今年の皐月賞とダービーで1着から3着までを独占したり、エイシンヒカリがフランスのGIを圧勝したりと、産駒の活躍が華々しかったことも購買意欲をそそることになったのだろう。
ほかで億を超えたのは、ハーツクライ産駒が2頭、ヘニーヒューズ産駒とキングカメハメハ産駒がそれぞれ1頭ずつ。
1990年代なかごろに「サンデーサイレンス旋風」が吹き荒れてから、産駒の価格は母系より種牡馬に左右される傾向が強くなっている。この日上場された20頭のディープインパクト産駒がすべて落札され、1頭あたりの平均落札額が1億円を超えたことも、それを示していると言えよう。
億超えから600万円と幅が大きいヘニーヒューズ。
そんななか面白いのは、2014年から日本で供用されているヘニーヒューズだ。同馬は13年の2歳王者アジアエクスプレスや、今年のフェブラリーステークスの覇者モーニンなどの父として知られているが、これら2頭は外国産馬。
この日上場された7頭のうち1頭は前述のように「億超え」となったが、最も安かったのは牝馬とはいえ600万円だった。牡馬でも1150万円で落札された馬がいたりと、価格に大きな幅がある。これはつまり、母系の評価をそのまま反映していると見ることもできるのだが、もし、ディープ同様に強い遺伝力を持っていたら、自分の10倍、20倍の価格の高馬をやっつける産駒がどんどん出てくるかもしれない。日本で生まれた産駒が(順調に行けば)デビューする来年が楽しみだ。