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手倉森監督が辿り着いた「黄金比率」。
なぜFWを削り、後ろを厚くしたか。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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posted2016/07/01 17:10

手倉森監督が辿り着いた「黄金比率」。なぜFWを削り、後ろを厚くしたか。<Number Web> photograph by AFLO

メンバー中最年少でリオ行きを決めた19歳のボランチ、井手口陽介。手倉森監督の選択が光る場面が来る予感がする。

堅守速攻は、そもそも手倉森監督の得意技。

 ディフェンスをベースとしたチーム作りは、そもそも得意である。

 '08年から'13年まで采配をふるったベガルタ仙台で、手倉森監督は堅守速攻を戦いかたのベースとした。そのうえで、対戦相手の戦略を見極め、試合が動いてからは時間帯やスコアに応じた「柔軟性」を選手たちに求めていった。主体的にゲームをコントロールしていくために、ときには守備に徹する「割り切り」も植え付けていった。

 U-23日本代表のチーム作りでも、「柔軟性」と「割り切り」は重要なコンセプトとなっていった。ベガルタで培ったサッカー観は、1月の最終予選を経てさらに太く強くなった。

 OAを除く15人のうち、GK中村を除く14人が最終予選の経験者となったのも、柔軟性と割り切りが身体に刻まれ、さらに一歩進んだメリハリを表現できるメンバーを求めた結果だろう。

 押し込まれる展開を想定してディフェンスのコマを増やしつつ、日本の強みとする速さを実現する攻撃陣を作り出す──それこそが、手倉森監督が辿り着いた18人の黄金比率だったのだ。

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