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リオ五輪代表のOA枠に金崎夢生を!
サポート無しで点を獲る“縦”のFW。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2016/05/14 10:40
前を向いて、スペースに走りこむプレーに特徴がある金崎夢生。U-23のカウンター戦術にとって大きな武器になるはずだ。
OAが必要ないのはCBだけ。最優先はFW。
OAによる補強を考えなくていいポジションは、植田直通(鹿島)、岩波拓也(神戸)、奈良竜樹(川崎)を揃えるCBだけだ。彼ら3人に加えて遠藤の起用を想定しておけば、最終ラインの中央は安泰である。
それ以外のポジションについては、OAの招集を検討する余地がある。
優先順位をつければ、まずはFWの選考に着手するべきだ。
トゥーロン国際には富樫、久保、浅野拓磨(広島)、鎌田大地(鳥栖)がFW登録で選ばれている。それぞれに個性があり、興味深い化学反応が起こりそうな4人である。
だが、Jリーグでプレーする富樫、浅野、鎌田の名前を、得点ランキングの上位に見つけることはできない。鎌田はまだ、今季のリーグ戦で無得点である。
鈴木の復帰時期もはっきりせず、最終予選に出場したオナイウ阿道(千葉)はクラブでの出場時間が短い。
五輪の表彰台を狙うのであれば、OAという選択肢がFWにあっていい。
サポート無しでもゴールを取りきる選手。
手倉森監督が構築してきたスタイルは、ひと言で言えば「堅守速攻」になる。「柔軟性」と「割り切り」というキーワードも、ポゼッションに拘泥しないとの決意表明だ。そして、プレーのクオリティとスピードをさらに高めた「柔軟性」と「割り切り」を押し出し、リオ五輪へ向かうとの構想を描いている。
指揮官のイメージが分かりやすいのは、最終予選の準決勝だ。イラクから奪った先制弾は、左サイドを駆け上がった鈴木のクロスを、ゴール前へ走り込んだ久保裕也が蹴り込んだ。2トップの関係だけで取りきったゴールは、理想的なカウンターだったと言うことができる。
同じく最終予選のタイ戦の先制点も、チームの特色が出たものだった。ボランチの遠藤がワンタッチで縦パスを入れ、鈴木がDFをブロックしながら豪快に蹴り込んだ。直線的で無駄のない得点パターンである。
サポートに恵まれない局面でもフィニッシュまで持ち込み、なおかつ取りきる力を持ったOAとは──金崎夢生(鹿島)が思い浮かぶ。