RALLYスペシャルBACK NUMBER
今季の全日本ラリー選手権は、
タイヤの使い方が勝負を分ける!
text by
CINQ(サンク)CINQ
photograph byCINQ
posted2016/05/20 16:30
スバルWRX STIを駆って開幕戦の「ツール・ド・九州2016」で圧勝した勝田範彦は、同大会11連覇の偉業を達成。
より緻密な戦略が必要になったタイヤ。
純粋にドライバーやマシンの速さだけではなく、2日間にわたるラリーをタイヤ8本でどう戦うかというタイヤ戦略も、今シーズンの見どころとなるだろう。
事実、開幕戦ではゴール後の再車検でタイヤの残り溝が規定値を満たしていなかったために失格の裁定を下されたチームも出た。
昨年以上に、タイヤ戦略が重要となるシーズンとなりそうだ。
海外、欧州で戦うマシンと国内用マシンの戦いも!?
今シーズン、もうひとつの話題が、FIA規定のグループRマシンの増加だ。
昨年のレギュレーション改訂により、全日本ラリーでもWRCや欧州のラリーで活躍するグループRマシンが出場できるようになり、眞貝知志/安藤裕一組がアバルト500ラリーR3Tを投入して話題を集めたが、今年は柳澤宏至/中原祥雅組がプジョー208 R2、関根正人/小坂典嵩組がシトロエンDS3 R3 MAXを投入してきた。
この純ヨーロッパ生まれの3台が出場するJN5クラスには、国内規定で製作されたトヨタ・ヴィッツGRMNターボやMINIジョン・クーパー・ワークスなども出場しているが、開幕戦は「ライバルたちに先駆けて全日本ラリー選手権に投入し、国内のステージに対する熟成度が上まわっていたと思う」という眞貝が優勝。
一方で、国内ラリー初投入となる柳澤のプジョー208 R2も、セッティングがヨーロッパ仕様のまま2位に入る健闘を見せた。
昨年は、随所で速さを見せたトヨタ・ヴィッツGRMNターボも安定したタイムを残し、グループRマシン同士の戦いとともに、国産マシンが彼らにどんな戦いを挑むかも、今年の全日本ラリーの見どころとなりそうだ。