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ダルビッシュ有と同世代の復活組。
~トミー・ジョン手術の安全性は~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2016/02/27 10:30

ダルビッシュ有と同世代の復活組。~トミー・ジョン手術の安全性は~<Number Web> photograph by Getty Images

すでに投球練習も始め、復帰に向け順調なダルビッシュ。5月~6月が復帰と見られている。

さらに若い投手も手術を受けており、やはり個人差?

 話が逸れてしまったが、昨年3月にトミー・ジョン手術を受けた好投手はもうひとりいる。メッツのザック・ウィーラー('90年生まれ)だ。年齢が若い分、ウィーラーがメジャーで投げたのは'13年と'14年の2年間(合計投球回数=285回3分の1)にすぎない。マイナー通算でも4年間で391回3分の1だから、若いころから投げすぎていたというわけでもなさそうだ。

 もっとも、早い時期にこの手術を受ける例は珍しくない。ウェイ・イン・チェン('85年生まれ)は2006年に、ホゼ・フェルナンデス('92年生まれ)は2014年に、ジェイコブ・デグロム('88年生まれ)は2010年に、マット・ハーヴィ('89年生まれ)も2013年に、この手術を受けている。いずれも20代前半の若さだ。やはり個人差がある、としかいいようがないか。

安全性の高さで、復活投手は大勢いる。

 開発されてから40年以上が経ったこともあって、トミー・ジョン手術はいまや安全性の高さが評価されている。それでも、少し前までは、かつてのピッチングを取り戻せなかった好投手が何人かいた。たとえば、パット・ヘントゲン('96年に20勝。'00年に手術)やダレン・ドライフォート('99年に13勝。'01年に手術)の場合は、復帰してからが茨の道だった。ヘントゲンは、'01年から'04年の通算成績が11勝24敗、ドライフォートも'03年から'04年の通算成績が5勝8敗で、そのまま球界を去っている。

 もちろん、彼らはごく少数の例外というべきだろう。ジョン・スモルツ(手術後は56勝、154セーヴ)を筆頭に、ビリー・ワグナー、クリス・カーペンター、アダム・ウェインライト、ジョーダン・ジマーマン、ジョシュ・ジョンソンなど、めざましい復活を遂げた投手は枚挙にいとまがない。ダルビッシュやベイリーにも、こちらの道を歩んでもらいたいものだ。いささか気の早い話だが、今季の初夏から夏にかけては、彼ら「復活組」の動向に注目しようではないか。

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