野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
横浜スタジアム買収で広がる「夢」。
発表された“未来予想図”がスゴイ!
posted2016/01/23 10:40
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph by
YDB「BALLPARK」
私どもには夢があります――。
世間がセンテンススプリングでざわつく木曜日。横浜DeNAベイスターズにも春が来た。昨年の11月24日からはじめた横浜スタジアムに対する株式公開買付けを完了したことを会見にて発表。横浜DeNAベイスターズ球団社長は、キング牧師みたいに「I have a dream」とやった。
今回のTOBで71.12%の株式を新たに取得したことにより、株式会社横浜スタジアムは、今月28日から株式会社横浜DeNAベイスターズの子会社となる。長年の悲願だった球団と球場の一体経営が実現し、構造の大変革を成し遂げたことで健全な経営への道筋が整うという「最大の補強」を成し得たわけだが、会見の最中、池田純球団社長が持ち出した一枚のパネルに描かれた“横浜スタジアムの未来予想図”というものの登場に、それまでの話が全部すっとんでしまうほど、釘付けとなった。
上のメイン画像がそれなのであるが、拡大するなりしてじっくり見ていただきたい。見れば見るほど、戦慄する。スゴイ。いいのか。ライトスタンドがなくなっちゃってる。その奥には港へと光りの筋が貫く日本大通り。レフトとライトのスタンドには……ビルが建ってる。
スタンドは後方に大きくて、アヤシゲなシートがいくつか散見され、ポールは帆船のマストみたいだし、ビジョンが2つあって。これ、想定収容人数は3万5000人だとか。
こんな爆弾を見せられてしまうと……。
「あくまでも我々の夢であって、これを今すぐ実現する・実現できるというものではなく、この絵が未来予想図に成り得るものかどうか、横浜スタジアムをこの先どう進化させていけるか。ハードソフト共にどう実現できるのかをしっかり考えていく議論がスタートしていけばいいなという提言」
というのが大前提の話なので、具体的に20XX年完成予想図という性質のものでもなく(2017年シーズン以降というのは確実らしいが)、乗り越えなければならない条例や、法律や公園法はひとまず度外視での提言だというが……。こんな爆弾を見せられてしまっては、きっと何年経っても変わらぬ思いで期待せずにはいられない。
TOBの成功により、DeNAベイスターズは横浜スタジアムを単に野球が行われるスタジアムから、街と一体化し、文化遺産的価値が高く、市民にとっても魅力的なボールパークにすることを目指すという。