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バレー部員の増加はあの漫画の影響!?
中高の部活勢力図の変化を考える。
posted2016/01/18 10:30
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
AFLO
年末から年始にかけては、怒涛の高校スポーツ・ラッシュである。
東京体育館ではバスケットボールのウインターカップ、年が改まって春の高校バレー。高校サッカーは男子が首都圏、女子が兵庫県で行われ、東大阪市の花園ラグビー場では高校ラグビーが開催された。
目立ったのは男子サッカー、男子バレーで優勝し、ラグビーでも準決勝まで進出した東福岡高校だろうか。
サッカー部員はおよそ270名、ラグビー部も100名を超える。これだけで公立高校の全校生徒の人数に匹敵するほどだが、各部ともにレギュラー争いの激しさが競争力の源になっている。
ここ15年で競技ごとの部員数に大きな変化が。
東福岡の部員数を見ていると、日本の部活動は拡大局面を迎えているように思えるが、実際は少子化の影響もあって中学校、高校ともに部員数が減少している。
日本中学校体育連盟、全国高等学校体育連盟は各部の部員数の変遷を発表しているが、この数字を読み解いていくと日本のスポーツ事情が見えてくる。
まず、2001年の人数を基準値の「1」として、増減を見てみよう。2015年現在、中学校の部員数を増やしているのはサッカーと陸上競技である。
サッカーで注目すべきは、2011年から急速に部員数を増やしたことで、これはサッカー・ワールドカップで日本がベスト16に進んだ影響が大きかったと思われる。
反対に、2014年のブラジル大会では結果が残せなかったのが、減少につながっている可能性もある。
また、陸上競技が増えているのは意外な気もする。多くの種目があり、自分の適性に合ったものに取り組めるというメリットもあるが、正月に放送される箱根駅伝の影響もあるのかもしれない。