サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
U-22に帰ってきた右SBのA代表経験者。
松原健の右脚を見極める中東キャンプ。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/12/10 11:30
右サイドバックとしてA代表経験もある松原健はU-22の中心になってしかるべき選手だ。
最終ラインにユーティリティをもたらす選手はいるが。
セントラル開催の最終予選では、試合ごとにメンバーを入れ替えられない。それだけに、「複数のポジションができること」を、手倉森監督はメンバー選考の基準にあげる。所属クラブではサイドハーフが主戦場の中野、センターバックを定位置とする中谷を右サイドバックでテストしたのも、彼らの適性を探るためである。
最終ラインにユーティリティ性を担保する人材として、亀川に寄せられる期待は大きい。左右両サイドでプレーでき、中盤にも適応できる。期限付き移籍中のアビスパでは、3-4-2-1の「4の左」としてフル稼働した。タテへの推進力と局面でのタフさに磨きをかけた彼には、手倉森監督も信頼を深めているだろう。亀川と同じように左右両サイドでプレーできる室屋も、チームの戦術的柔軟性を高める。
攻撃でも、サイズでも松原は一枚上手。
そうは言っても、スペシャリストは必要である。
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右サイドからの攻撃の関わりにおいて、松原は同世代のライバルより一歩先をいく。180センチのサイズも、亀川や室屋を上回る。フィフティ・フイフティのタテパスやサイドからのラフなクロスに活路を探る中東勢相手には、サイドバックにも高さを求めたい。
ピッチ内では闘争心を隠さないメンタリティも、松原の特徴である。「デュエル」に怯まないのだ。オフザピッチでは穏やかな空気をまとうが、ピッチではファイターに変貌する。感情をあらわにする選手が少ないなかで、彼のメンタリティはチームの士気を高めるに違いない。
あとは、フィジカルコンディションがどこまで回復しているのか。
11月のトレーニングキャンプに松原を招集した手倉森監督は、「いまはまだゲームができる状態ではない。左右の足の太さが違う。右ひざの屈曲を100パーセントでできていない」と話しつつも、「このままトレーニングを続ければイケるということならば、最終予選に絡んでくる」と期待をにじませた。