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「極端な結果」が多い天皇賞・秋。
エイシンヒカリは最後に掴まるのか。

posted2015/10/31 08:00

 
「極端な結果」が多い天皇賞・秋。エイシンヒカリは最後に掴まるのか。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

エイシンヒカリのデビューは3歳の春。ゆっくりと成長した逃げ馬が天皇賞・秋も逃げ切るのか。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

 タマモクロスとオグリキャップの「芦毛対決」、ウオッカとダイワスカーレットによる2cm差の激闘など、数々の名勝負を生んだ第152回天皇賞・秋(11月1日、東京芝2000m、3歳以上GI)が近づいてきた。

 天皇賞・秋は、2013年にはジャスタウェイが2着を4馬身、'10年にはブエナビスタが2馬身突き放したように、強い馬が圧勝する舞台であると同時に、1998年にはサイレンススズカが競走を中止し、'92年にはトウカイテイオーが7着に沈むなど、大波乱が目立つレースでもある。

 極端な結果になりやすいのは、このレースがジャパンカップ、有馬記念と連なる秋のGIシリーズの初戦だからだろう。大目標を先に据えた馬もいれば、夏場も緩めず仕上げられ、ここに全力投球で臨む馬もいる。

 ジャパンカップの東京芝2400mや、有馬記念の中山芝2500m、あるいは長距離輸送のある香港より、ここを一番のターゲットとしているとおぼしき馬はどれか。

 1頭、2頭、3頭……結構いる。

宝塚を制したラブリーデイは、2000mが絶好。

 その筆頭は、管理する池江泰寿調教師が「2000mが一番得意」と話しているラブリーデイ(牡5歳、父ディープインパクト、栗東・池江泰寿厩舎)だ。

 GI初制覇となった宝塚記念以来3カ月半ぶりの実戦で、距離も長いと見られていた京都大賞典を、上がり3ハロン32秒3という、とてつもない末脚で差し切った。先行して押し切った宝塚記念も強かったが、そこに鋭さが加わった。よどみない流れの消耗戦になっても、ゆっくり流れてヨーイドンの瞬発力勝負になっても力を出せる。

 主戦の川田将雅が騎乗停止になり、浜中俊に乗り替わることになったが、もともと何人もの騎手が乗っていた馬だし、浜中も2年前の皐月賞で騎乗(15着)しているから、心配ないだろう。4枠8番という、前も後ろも見ながら競馬ができる絶好の枠を引いた。崩れる可能性が最も小さいのはこの馬か。

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