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「極端な結果」が多い天皇賞・秋。
エイシンヒカリは最後に掴まるのか。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2015/10/31 08:00
エイシンヒカリのデビューは3歳の春。ゆっくりと成長した逃げ馬が天皇賞・秋も逃げ切るのか。
ラスト100m、エイシンヒカリをかわす馬は?
それでも、坂口調教師が話しているように、ラスト100mまではこの馬がほぼ確実に先頭に立っているだろう。ということは今年の天皇賞・秋は、ラスト100mからどの馬がエイシンヒカリをかわすか、あるいはかわせずに終わるか、というレースになるわけか。
折り合えば、ラスト100m地点を過ぎてからも脚を伸ばすだろうし、掛かってしまえば止まるかもしれない。
いずれにしても、ゴールまでの100mの攻防は、相当激しくなるに違いない。
そうした大混戦で、他馬より一歩前に出るには、ひとつでも多くアドバンテージを持った馬である。そう考えると、古馬より2キロ軽い斤量で出走できる3歳馬の出番か。
ダービートライアルのプリンシパルステークスを勝ちながら、距離適性を考えてダービーではなくラジオNIKKEI賞に進んで勝ち、毎日王冠で6着となったアンビシャス(牡3歳、父ディープインパクト、栗東・音無秀孝厩舎)は1枠2番、ダービー3着馬のサトノクラウン(牡3歳、父マルジュ、美浦・堀宣行厩舎)は2枠3番と、ともにいい枠を引き当てた。
ここで勝ち負けするだけの力があり、臨戦態勢も理想的なのに、不利な外枠を引いたイスラボニータ(牡4歳、父フジキセキ、美浦・栗田博憲厩舎)とショウナンパンドラ(牝4歳、父ディープインパクト、栗東・高野友和厩舎)の取捨も迷うところだ。
エイシンヒカリが馬群に呑まれる可能性は低いか。
ということで、結論。
◎エイシンヒカリ
○ラブリーデイ
▲サトノクラウン
△ディサイファ
×アンビシャス
注イスラボニータ
エイシンヒカリは最後の100mでラブリーデイら後続の追撃をしのぎ切れないかもしれないが、それでも、大逆転されて馬群に呑み込まれることはないと見た。
どんな「100mの戦い」が繰りひろげられるか、楽しみだ。