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全日本で復帰即優勝の浜口京子。
リオ五輪75kg級の救世主となるか? 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byKyodo News

posted2015/10/21 10:30

全日本で復帰即優勝の浜口京子。リオ五輪75kg級の救世主となるか?<Number Web> photograph by Kyodo News

馬場との決勝戦では第1ピリオドを0-1とリードされたが、第2ピリオドで逆転。勝負強さを発揮した。

全日本16度優勝、世界での実績もピカイチ。

 浜口の揺れる心中の一方で、浜口への「待望論」は根強い。そこには、浜口の階級の層の薄さがある。

 75kg級(改定前は72kg級)は、全日本女子オープン選手権が2度の勝利で優勝となったことが示すように、もともと選手の数が少ない階級だった。それこそオリンピックや世界選手権の選考がかかる大会でも、エントリーが数名にとどまるのが常であった。

 その中で、浜口は突出した存在であり続けた。全日本選手権で男女を通じて史上最多の16度の優勝という実績がそれを物語っている。しかも国内のみの実力ではない。オリンピックでのメダル獲得をはじめ、世界でも強豪の一人として活躍を続けてきた。

75kg級の人材難も待望論に拍車をかける。

 その浜口が休養状態にあった時期、75kg級は危機に直面している。今秋の世界選手権で、この階級の次を担うと目されていた28歳の鈴木博恵が大会を前に全治7カ月の重傷を負って欠場。代わりの選手を立てたが、リオデジャネイロ五輪の日本の出場枠を獲得できなかったからだ。

 出場枠を得るチャンスは来春のアジア予選などになるが、アジア予選には、モンゴルなどの決して侮れない選手たちが出てくる。鈴木がどれだけ回復しているかは微妙だし、選手層を考えても不安は残る。だが出場枠を逃すわけにはいかない。

 そうした状況があるから、浜口にどうしても目が向かう。例えば、日本レスリング協会強化本部長の栄和人氏が「戻ってきてほしい」、「経験があるから」と口にしてきたのをはじめ、浜口の本格的な復帰を願う声は少なくない。それは75kg級の苦しさゆえにであり、同時に、浜口の存在の大きさである。

 浜口自身、そうした周囲の視線を感じないわけではないだろう。

 もちろん最終的には、浜口本人の気持ちに委ねられることになるし、自身の率直な意思から選んだ結論こそ、後悔が最も少ない選択となる。

 浜口は、どうするか。
 

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