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日本は1試合ごとに急激に強くなる!
岩渕GMが語る、アメリカ戦への視座。 

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岩渕健輔

岩渕健輔Kensuke Iwabuchi

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posted2015/10/10 10:50

日本は1試合ごとに急激に強くなる!岩渕GMが語る、アメリカ戦への視座。<Number Web> photograph by AFLO

サモア戦の勝利は、“奇跡”ではなく順当に策を積み重ねた末の力勝ちであった。

個を押し出してきたサモアにもユニットで対応。

 日本代表がゲームプラン通りの戦い方ができていたことは、スタッツにも反映されています。たとえば獲得したテリトリーでは64%対36%、ボール支配率が59%対41%といずれもサモアを凌駕しています。タックルミスこそ31回対25回でサモアに劣っていますが、スクラムの成功率は100%、さらにはラインアウトも13回中12回中マイボールをキープするなど、日本はセットプレーも安定していました。

 このような書き方をすると、スタッツで上回っていたのは、前回のスコットランドも同様だったのではないか? と指摘される方もいらっしゃるかもしれません。しかしスコットランド戦との対比で述べるならば、スタッツでも上回り、かつ試合の流れを左右するような重要な場面でも、質の高いプレーを展開していたのが、サモア戦における日本代表だったのです。

 結果、サモアは時間の経過とともに集中力を失い、組織ではなく個の能力に頼ったプレーが増えていきます。

 むろん、このような流れになればなったで、今度は違った種類の危険性が生まれてきます。現に後半には選手の足が止まり、サモアにワントライを返される場面もありました。それでも日本代表は精神的に崩れることなく、最後までユニットとして戦い抜くことができていました。

サモアは、勝って然るべき相手だった。

 試合後にはメディアの間で、ボーナスポイントを狙うべきではなかったかという議論も起きました。しかし選手たちが試合後に述べたように、チームとしてリスク管理(サモアの選手に個の突破力でトライを奪われるパターンの回避)をしながら、勝利をもぎとった点は落ち着いていたことの証明でもあると思います。

 前回のコラムで指摘したように、サモアは南アフリカやスコットランドとは異なり、日本にとっては勝って然るべき相手でした。このような相手にゲームプラン通りの戦いを仕掛け、勝利をものにできたというのは、チームに地力がついてきた証拠に他なりません。

【次ページ】 プラン、努力、そしてリセットさえあれば。

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