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被災地とマラソンの不思議な関係。
ランナーは走った町を好きになる! 

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金哲彦

金哲彦Tetsuhiko Kin

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photograph byTetsuhiko Kin

posted2015/07/08 10:40

被災地とマラソンの不思議な関係。ランナーは走った町を好きになる!<Number Web> photograph by Tetsuhiko Kin

国立競技場から、「借りた」聖火台が石巻にはある。これもまた復興を目指す人々にとってシンボルの1つとなるのだろう。

ランナーを応援するのは、楽しいことだ。

 被災地での初開催ということで、海外からの参加者、東京など大都市からの参加者も多かった。そんななか、地元石巻から参加している市民ランナーがかなり多かったのは意外だった。

 あるランナーは、「石巻シーサイドマラソン時代からずっと参加していたので地元に大会が復活したことが嬉しい、4年間ずっと待ち望んでいた」と言い、あるランナーは「地元でマラソン大会が開催されることを知ってから10キロレースにチャレンジするために週末ランから始めた」と言うなど、まったくの初心者も少なからずいた。

 ロケでは、会場のすぐ近くにある大規模な仮設住宅を訪問することができた。震災以来4年、今ではすっかり被災者たちのマイホームになった仮設住宅。ときどき、ご近所さんたちで声をかけあってお茶会をやるらしい。訪問時には、地元でマラソン大会があると聞き、ランナーを応援するための手作りグッズをワイワイ言いながら作る茶飲み友達の楽しそうな姿があった。

 被災者の方々にとって、地元の市民ランナーや、外国や全国から来たランナーを応援することがどれほどワクワクすることか、容易に想像できる。

協力の形はさまざま。コピーを作ったコピーライターも。

“ツイッター? やってないけど つぶ焼くよ”

 このコピーは、大会で見かけたポスターのひとつである。

 出店屋台で海産物の焼き物を売るおじさんが考えたにしては出来過ぎだ。実は、プロのコピーライターが支援の一環として無料で作ったものらしい。

 被災地支援の方法はさまざまだ。赤十字を通じた募金もあれば直接ボランティアで働く方法もある。そして、このコピーライターのように得意分野で支援する方法もある。僕なら、ランニングやマラソン大会を通じて支援できる。

【次ページ】 ランナーは、観光地だけでなく「町」をまるごと走る。

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