サムライブルーの原材料BACK NUMBER
徹底管理がコンディション悪化に?
ハリル流の日本版を見つけて欲しい。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2015/06/22 11:00
シンガポール戦での日本代表のコンディションは、決していいとは言いづらいものだった。どんな要素がその裏にあったのだろう。
ハリル流が日本向けにアレンジされることに期待。
とはいえ、ハリルホジッチの手法を批判するつもりも否定もするつもりもない。
まだ日本に来て3カ月しか経っていないのである。2週間の合宿も初めてで、日本人選手の気質というものを分かるにはまだまだ時間が足りない。厳しい徹底管理が日本でも通用するのかの、テストの意味もあったのかもしれない。先ほど登場したザッケローニの話も、就任してから1年半が経っていた。日本サッカーを、日本人を知ってくればくるほど、マネジメントも変わってくる。
現状の準備方法が不十分とするならば、いずれにせよアレンジは必要である。管理をする程度の問題もあれば、徹底管理を基本にした場合でもどうリラックスさせていくかを考えなければならない。この2週間で把握できたことを基にしてハリル流の日本版を構築していけばいいだけのこと。働き者で熱心な彼のことだから、きっと彼なりの答えを見つけていくことができるはずだ。
高い授業料ではあった。
万が一、運が悪かっただけで準備の問題は戦術面のみと指揮官が捉えているとしたら、大切なことを見落としたままになる。だが、ショッキングな現実によって予選一発目の試合で気づくことができたとしたら、ハリルホジッチにとって意味あるドローとなるに違いない。