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史上初、プロに六大学出身監督ゼロ!
成績でも押される名門リーグの苦悩。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/06/08 10:30

史上初、プロに六大学出身監督ゼロ!成績でも押される名門リーグの苦悩。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

5月30日、慶応大を下し東京六大学野球春季リーグで6季ぶり、44度目の優勝を果たした早稲田大。大学選手権では、東都を中心とした他リーグの代表校に対し真価を発揮できるか。

大学選手権で特別扱いされなくなった六大学と東都。

 東京六大学リーグにとって平成以降の東都優位に一矢を報いるチャンスが6月8日からスタートする大学選手権だ。六大学か東都かを予想する前に、今回は順当に勝ち進めば両リーグの代表校が準々決勝で対戦する。昨年までは両リーグの代表校は別ブロックに配し、勝ち進めば決勝で対戦するという配慮があった。それがなくなったのは昨年、慶応大が神奈川大に、亜細亜大が創価大にそれぞれ初戦で敗れたためだ。配慮してもらいたかったら勝ちなさい、そんな叱咤激励が背景にある。

 それにしても今回の組み合わせは驚き以外のなにものでもない。東京六大学リーグの代表校・早稲田大と東都大学リーグの代表校・専修大のいるブロックには昨年の優勝校、東海大(首都大学リーグ)、さらに仙台大(仙台六大学リーグ)、上武大(関甲新大学リーグ)、富士大(北東北大学リーグ)と、優勝候補あるいは伏兵と評価される強豪校が目白押しである。最後に、今回の大学選手権全体のプレビューをしておこう。

 東海大が初戦で対戦するのは九州産業大対仙台大の勝者で、九州産業大には今季リーグ1位の防御率0.31を誇る本格派右腕の高良一輝(3年)、仙台大にはドラフト1位候補の熊原健人(4年)が控える。

 迎え撃つ東海大は2連覇を狙える陣容だ。投手陣は大学日本代表の吉田侑樹(4年)に今季、最優秀投手賞の中川皓太(4年)、さらにベストナインの丸山泰資(3年)と大会屈指の層の厚さを誇り、丸山は5月3日の日本体育大戦で46年ぶり史上2人目の完全試合を達成している。

富士大のドラフト1位候補、多和田真三郎は?

 ドラフト1位候補、多和田真三郎(4年)がマウンドを守る富士大が1回戦で対戦するのは好投手・井口和朋(4年)がいる東農大北海道オホーツク。ここを勝ち上がると近年充実ぶりが著しい上武大と近大工学部の勝者との対戦が待つ。

 専修大は愛媛大と京都学園大の勝者と2回戦で、早稲田大はその隣のブロックで東海大北海道と立命館大の勝者とやはり2回戦で顔を合わせる。2回戦を勝ち上がれば準々決勝で激突するこの頂上対決、今年に限れば早稲田大の有利と予想したい。

 早稲田大はこれまで'99年の青山学院大・石川雅規(ヤクルト)や'02年の亜細亜大・木佐貫洋(日本ハム)など好投手に苦戦することが多かったが、今年の専修大にはそのクラスの好投手がいない。打ち合いになれば重信慎之介(4年)、河原右京(4年)、茂木栄五郎(4年)、丸子達也(4年)、石井一成(3年)、道端俊輔(4年)、中澤彰太(3年)と並ぶ打線は専修大を上回る。専修大は大野亨輔(4年)、高橋礼(2年)のリレーがツボに嵌まるかどうか。

【次ページ】 予想が難しい大会だが、早稲田優勝を予想!

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