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リーグ6位の打率と、少ない三振。
青木宣親が確立した「打撃スタイル」。  

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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posted2015/05/29 11:35

リーグ6位の打率と、少ない三振。青木宣親が確立した「打撃スタイル」。 <Number Web> photograph by AFLO

今季から導入した新フォームもすっかりなじみ、ジャイアンツのリードオフマンに定着した青木宣親。2000本安打も視野に入れ、まさに絶好調だ。

カウント別の打率を見てみると……。

 今季の青木の打席のクオリティの高さは、カウント別の打率に表れている。ここで、現地時間5月27日現在のカウント別の打率をまとめてみよう。

0-0 .476
0-1 .150
0-2 .154
1-0 .308
1-1 .409
1-2 .357
2-0 1.000
2-1 .429
2-2 .333
3-0 記録なし
3-1 .250
3-2 .125

 もっとも特筆すべきは、初球の打率の高さだ。21打数10安打と、5割近い数字を残しているが、これはまさに青木の「積極性」が今季はいい方向に出ていることを示している。

 青木はもちろん器用な打者だが、最大限に力を発揮できるのは集中力を高めた初球だったりするのだ。

 そしてもうひとつ、評価すべき点は2ストライクと追い込まれてからの打率である。1-2での.357、2-2での.333は素晴らしい数字である。

青木は、打率トップ10の中で三振が最も少ない。

 昨今のメジャーリーグでは投手の球種が多岐にわたっており、2ストライクとなってからは、打者の打率が極端に悪い。まさに「投手全盛」の時代なのだ。

 しかし青木は、浅いカウントでの積極的な姿勢とは違い、追い込まれてから「ディフェンシブ」になった状態でも、ボールをバットに当ててヒットを稼いでいる。

 球を見極めてから、十分な仕事をすることもできるのだ。

 その証拠に、青木は打率3割2分2厘でナショナル・リーグの打率で6番目の数字を残しているが、トップ10に入っている選手の中で、三振数が14個といちばん少ない。追い込まれてからの打撃スタイルを確立していると見ていい。

 これこそ、「クオリティ・アット・バット」。

 結果ほど、チーム内の立場は安定しているとは言いがたいが、青木はメジャーで最高のシーズンをいま、おくっている。

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青木宣親
サンフランシスコ・ジャイアンツ

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