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新国立競技場の迷走はチャンスだ!
「聖地」に相応しい設備と思想を。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2015/05/24 10:50

新国立競技場の迷走はチャンスだ!「聖地」に相応しい設備と思想を。<Number Web> photograph by AFLO

1300億円の予定が、3000億円ほどに膨らんでいるという新国立競技場。屋根の形が変わると大きくイメージが変わらざるをえないが果たして……。

本当に知恵を出し切ったのか、やり尽したのか。

 そして現在、計画は再び変更を余儀なくされた。これを逆にチャンスと捉え、新国立競技場を新たなスポーツの聖地にするには何が大切なのか、あらためて考え、新たな計画へ向けて訴える機会でもある。

 現状はスケジュール最優先で妥協を図り、後退を続けているように見える。取り壊された国立競技場をはじめ、周囲に位置する代々木体育館の存在は、今日までスポーツ界にとって大きな意味を持ってきたはずだ。オリンピックの先を見据えたとき、つまり未来を考えたとき、どのようなスタジアムが必要なのか、そうした視点が失われている気がしてならない。

 日程のみを考えて未来に視線を向けないのは、挑戦しない姿勢を意味する。ほんとうに知恵を出しきったのか、やり尽した上での現状なのか。もう一度チャレンジする機会でもあるのではないか。

期限は2020年ではなく2019年のラグビーW杯!

 ちなみに今回の報道のあと、一般誌のメディアの人々と話をする中で、同じ話を2度聞いた。

「まだ5年あるのに、工事は間に合わないものなんですかね」

 しかし新国立競技場の工事の期限は5年後の2020年ではなく、2019年3月の完成を目指している。なぜならば、2019年に日本で行なわれるラグビー・ワールドカップのメイン会場でもあるからだ。

 なのに「あと5年」という声が出ることに、ラグビー・ワールドカップの認知度が表れているようだった。

 今年の9月からイングランドでワールドカップが行なわれるが、ラグビー界にとって、いかに認知を高めるかは大きな課題である。オリンピック種目の7人制実施もあるのだから、それらもラグビーのPRの材料とし、ここから巻き返さなければならない。

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