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浦和が示したセットプレー止め方講義。
FC東京の「武器」を封じた方法とは?
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/05/18 11:55
巧みなポジション取り、そして前線への絶妙なロングパスまで披露し、見事にFC東京を押さえ込んだGKの西川。
浦和が仕掛けた“二重フィルター”とは?
仙台の菅井と同じく、FC東京もCKの際には太田がキックを放つ直前に森重やカニーニがニアに走り込み、ヘディングで流すプレーが得点パターンとなっている。これを防ぐために、ニアサイドには関根貴大と柏木の2人がストーンとなり、近い距離で立った。
森重には槙野智章が、カニーニには那須大亮がマンマークで付いた上で、関根と柏木による“二重フィルター”で漏れを防ぐ。実際、78分のFKの場面では、カニーニにニアへ走られたが、柏木がしっかりとクリアした。
西川の素早い判断が、すべての可能性を摘み取った。
ニアには蓋をした。では、ファーサイドはどうか。
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ここに立ちはだかったのは守護神・西川周作だ。
「ニアはストーンを動かして、ファーにボールが来たときは、僕が全部出るつもりでいた」
試合後に語った言葉どおり、70分のCKはキャッチ、78分のFKはパンチング、87分のCKも再びファーサイドへのボールをがっちりとキャッチした。ボールスピードが速く、鋭く曲がって落ちる太田のキックは、GKが飛び出してキャッチするには非常にやっかいな球質だが、西川の素早い判断と足の運びが上回った。
「確かに難しいボールです。でも、ステップワークはGKコーチの土田(尚史)さんと一緒に練習して、ずっと意識してきたことなので、それが活かせて良かった」
ニアへのボールはストーンが跳ね返し、ファーへのボールは守護神がつかみ取る。ただし、相手はJリーグ屈指のプレースキッカーである太田だ。ストーンの頭を超え、西川が出られないボールだって飛んで来る。
ここでポイントとなるのは、やはりどれだけ粘り強くマンマークできるか、である。