那須「今回は絶対にCKからやられたくなかったので」

　カニーニを監視した那須はこう語る。

「前節の仙台戦もそうですし、FC東京には去年の味スタでの対戦のときもCKからやられているんです。だから今回は、絶対にやられたくなかった。たとえクロスを頭に当てられても、十分な体勢でヘディングさせないこと、こぼれ球にいち早く反応することを意識した」

　25分には武藤に、61分には森重に、CKからヘディングシュートを許した。しかし、シュートの瞬間には浦和の選手が体を預け、ボールは枠の外へと飛んだ。

　相手の強力な武器がセットプレーならば、事前に徹底的に対策を練り、本番ではそれを頭に叩き込んだ上で、体を張り続ける。これを実践したことで、最後までセットプレーからのゴールを許さなかった。

　一方の攻撃では、興梠慎三や李忠成への縦パスをスイッチに、サイドを広く使うパターンで4得点。浦和の武器が、存分に威力を発揮した。

　わかっちゃいるけど、止められない。この日、そう嘆いたのはFC東京のほうだった。