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「彼は、本当に偉大な打者だった」
巨人軍トップが語る理想の四番とは? 

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photograph byTadashi Shirasawa

posted2015/04/10 16:30

「彼は、本当に偉大な打者だった」巨人軍トップが語る理想の四番とは?<Number Web> photograph by Tadashi Shirasawa

昨年6月から株式会社読売巨人軍代表取締役社長に就任した久保博氏。学生時代打ち込んだラグビーにも造詣が深い。

「あれがスターなんだなあ」、と思った選手は?

「事業部長時代、東京ドームでジャイアンツの試合が終わると、身分証明書を外してね、ファンと一緒に外野から外まで出たりしたものです。みなさん、『何だよ、あんなところであんな球投げやがって!』とか、酔っ払いながら色んなことを言いながら帰る。でも、松井秀喜がいた時というのは、『今日は全然ダメだったけど、松井のホームランが見れたからいいか』っていうお客さんがいた。

 たとえジャイアンツが大差で負けていても、松井の打席が9回裏に回ってくるとわかっていれば、帰らないというお客さんも多かった。あれがスターなんだなあ、と思います。だから僕は、やっぱり松井というのは偉大な四番打者だったなあ、と思うんです。今、お客さんを呼べる選手がジャイアンツにどれだけいるか。グッズの売り上げを見ると、上位3人は坂本(勇人)、阿部(慎之助)、原(辰徳・監督)。今、坂本が少し落ちてきた。ここで歯を食いしばらないといけない」

二軍の壁を突破して上がってくる選手に核にいてほしい。

 もちろん、スターは作ろうと思って一朝一夕に作れるものでもない。

「まずはよみうりランドにあるファームのジャイアンツ球場を満員にしようと、少しお金をかけた取り組みを始めました。二軍の壁を突破して上がってくる選手こそ、ファンが一番共感できて、感情移入でき、ずっと声援を送りたいと思える選手だからです。そういう選手がジャイアンツの核にいてほしい。そのために球団ができることは、たくさんの観客の前で選手にプレーをしてもらう環境を作ること。それを我々は『GIIプロジェクト』と呼んでいます。同時に、ビジネスとしては今後アジア市場やIT関連にも目を向けていくことが重要だと考えています」

 時代の流れの中で、巨人軍にも新たなビジネス展開が求められている。球団社長が標榜する哲学は「球界の盟主」をどう変貌させていくのだろうか。

なぜ巨人のユニフォームに“TOKYO”の都市名が復活したのか?
いま日本の一番のテーマは、スポーツが文化になることと久保氏は語る。
一方で巨人はアジア市場の取り込み、IT分野への進出なども視野に入れる。
そんな久保氏が考える、スポーツビジネスの一番の基礎とは?
本編「いま、巨人軍だからできること」はNumber875号でお読みください。
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#松井秀喜
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