マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
巨人・高木勇人の高校、社会人時代。
阪神完封の男が“いい人”だった頃。
posted2015/04/10 11:00
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
NIKKAN SPORTS
昨年の11月。ドラフトが終わって1カ月ほど経ったころだった。
品川にある報知新聞・東京本社で野球についてのトークショーが行なわれ、その「ドラフト担当」の語り手として呼んでいただいたことがあった。
「2014ドラフト」で読売ジャイアンツが指名した4人の選手について、それぞれの期待度を忌憚なく語ってほしい――。
仕事で声をかけていただいた時は、逮捕される危険性があること以外、原則お断わりはしないスタンスをとっている。およそ100人の巨人ファンの前で話をする、というあたりがちょっと高いハードルにも思えたが、「ありがとうございます」とお受けして、当日ファンのみなさまの前に立った。
2014年ドラフトで、巨人の指名選手は4人と育成枠。
「スポーツ報知」といえば、読売ジャイアンツのお膝元である。少々持ち上げた話をしないと叱られるのかと思ったら、先方は「感じたとおり、考えているとおりで結構」という。
ならば、当日、集まったファンの方たちの“目”を見て考えようと決めて、前に立って眺め回したファンの方々200のマナコの真剣なこと。なまじのおだて話などでその場をしのいでは失礼と、ブーイング覚悟でありのままの話をぶつけてみた。
1位 岡本和真・内野手(智弁学園)
2位 戸根千明・投手 (日本大)
3位 高木勇人・投手 (三菱重工名古屋)
4位 田中大輝・投手 (國學院大)
(育成指名選手4名は割愛)
「2014ドラフト」での読売ジャイアンツの指名選手を並べてみると、こうなる。
ドラフト時には、えらくあっさり終わったな……という印象があった。チームの強化にドラフトはアテにしていない。そんな「無言の声」が聞こえてくるような指名にも感じていた。