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斎藤佑樹の方向性は間違っている!?
近年最好調のエンジンの活かし方。  

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中村計

中村計Kei Nakamura

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/02/25 16:30

斎藤佑樹の方向性は間違っている!?近年最好調のエンジンの活かし方。 <Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

ここまでプロ4年間の成績は13勝16敗、防御率3.66。5年目のシーズンで飛躍なるか。

生き残りたいなら、武田勝になるしかない。

 先日、GAORAのキャンプ中継で、解説者の金村曉と光山英和が斎藤について興味深い指摘をしていた。

金村 「高めの真っ直ぐで勝負しようとしている。方向性が間違っていると思う」
光山 「彼が生き残ろうと思ったら、武田勝みたいになるしかない」

 おそらく2人は同じことを言っている。

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 確かに、ストレートは以前よりよくなった。だが、それは斎藤だけを見ていての感想であり、その球自体がプロのレベルで通用するかどうかはまた別問題である。

 斎藤の変化は、車に例えればわかりやすいかもしれない。

 高校時代の斎藤の排気量が1800ccだったとすれば、大学以降は徐々にパワーアップし、2000ccぐらいまでに大きくなった。そしてプロ4年目の昨年、ようやく2000ccクラスのエンジンのパワーを最大限、引き出すコツのようなものをつかんだ。つまり、変わったと言っても、2500ccになったとか、3000ccになったというわけではない。おそらく今後もそこまで大幅に排気量がアップすることはないだろう。それが持って生まれた身体的才能というものだ。

130kmのストレートで勝負できる投手の存在。

 斎藤の排気量は、プロで戦う上では、やはり決定的に足りないのだ。だが、それを悲観する必要はない。ハンドル回りや、ブレーキや、タイヤの性能で補えばいい。そして、真っ直ぐな走路でスピード勝負ができないぶん、コーナーで差を詰める。その典型例が、130km前後の真っ直ぐしかないにもかかわらず、プロ9年で79勝を積み上げた武田勝だろう。

 金村や光山が言わんとしているところも、つまりはそこだ。持っているエンジンの性能に最適なチューニングを行なう必要がある。

 偶然の要素も手伝い、そのチューニングが完璧な形でなさていたのが18歳の夏だったのだ。

【次ページ】 エンジンの調子はいいのだから、後はチューニング!

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